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環境コラム生物多様性の危機、未来に向けて

蛇島内の木 約40億年前に生命が誕生して以来、多くの種が生まれ、またその一方で絶滅してきました。近年、生き物たちの絶滅スピードは私たち人類の活動の影響により加速しており、自然の速度の約1,000倍で絶滅していると言われています。
 生き物は、その長い歴史の中で何度か大量絶滅をしてきましたが、人類による新たな大量絶滅が懸念されています。
 

 日本における生物多様性の危機には、次のような原因があります。
 開発による生息地の減少や環境悪化、希少な生き物の乱獲
 過疎化や高齢化などで人の手が入らなくなった里地里山の荒廃による自然環境の変化
 外来種や有毒な化学物質など、人が持ち込むものによる生態系への影響
 

 また、海外では、「種の宝庫」と言われる熱帯雨林のうち、日本の面積の約2割にも当たる面積が毎年消滅していると言われています。
 さらに、地球温暖化による影響も懸念されています。平均気温の上昇や異常気象の頻発といった気候変動に、生き物が適応できずに絶滅につながる可能性があります。
 

 グローバル化が進んだ現代において、生物多様性の危機は、地球温暖化と同様に舞鶴や日本のことはもちろん、地球規模でも考える必要があります。食べ物や木材、資源やエネルギーなどの多くを輸入に頼っている日本において、相手国の生物多様性への間接的な影響は大きな問題です。

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 このような背景の中、生物多様性の保全に向けては、世界や国レベルだけでなく、地方公共団体、企業、研究機関、そして一人ひとりの取組みがたいへん重要になります。
 舞鶴や日本、世界の生き物たちが悲鳴を上げている現代において、その主な原因を作っている私たち人間が、生物多様性を保全することによって、結果として私たちが生きる環境を守ることにつながります。