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舞鶴の自然・動植物植物

【植物コラム】青葉山の植物
写真
 

 京都府と福井県の境界にそびえる青葉山は、東峰(693m)と西峰(692m)の2峰からなる双耳峰です。福井県側から眺めるその美しい円錐形の姿から若狭富士とも呼ばれ、日本山岳切手シリーズにも登場した秀峰です。
 青葉山の山中には、安山岩の巨岩が立ち並び、特に日本海に面した北面は急峻な崖となっています。この安山岩は年代測定の結果、今から 約1600万年前、ちょうど日本海ができ始めた頃のものと言われます。

写真 青葉山は低い山ですが、北方系の ヒモカズラやエゾノヒメクラマゴケ、固有種のオオキンレイカなど、数十種の高山性の植物が育っているのが不思議です。
 その鍵は、氷河期にあります。氷河期には、低緯度まで氷河に覆われていた時期があり、近畿地方にも寒冷地の 植物が南下して生育していました。 しかし、氷河期が終わり気候が暖かくなるにつれ、植物は逆に北へと後退していきました。
 その中で、青葉山に残っている植物は、北へ移動する代わりに上へ上へと移動していきました。そして、頂上付近の樹木や、暖地性植物の生育に適さない安山岩の露頭部に安住の地を見つけたものが、現在まで生き残ってきたと考えられています。
 また、青葉山にはイワガサなど暖地性の植物も見られ、北方系(寒地性)と暖地性の植物の接点としても非常に興味深い山です。

 

 

 

 

 

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