●【植物編 木本】Top  
 観察時期
5〜6月頃(花期)
 形態・分布・生態的特徴等
●日本固有種
●落葉高木
●雌雄同株
●分布:全国各地の日当たりのよい山野や丘陵
●葉:30cmもの長楕円形、表面は濃緑色、裏面は帯白色で毛が散生。枝先に集まって互生
●花:枝先に花径15cmもあり芳香のある黄白色の九弁花を咲かせる
●果実:楕円形の大きな実をつけ、9〜11月頃に紅熟して美しい
●木質は柔らかいので、版木やマッチの軸木、鉛筆材、まな板や下駄の歯にも使われている。
 へぇ〜、そうなん!  〜なるほど豆知識〜
 風薫る5月頃、花の香りも漂う菅坂峠(すがさかとうげ)のホオノキは「うすく陽も透けるような若葉の緑の間から夢のように白く大きな花を開く」と万葉花譜に書かれている光景そのものです。そんな厚朴(ほおがしは)の歌が2首、万葉集にあります。「わが背子(せこ)が捧げて持てるほほがしはあたかも似るか青き蓋(きぬがさ)(恵行)」「皇神祖(すめろき)の遠御代御代(とほみよみよ)はい敷き折り酒(き)飲むといふそこのほほがしは(大伴家持)」。この伝統は今も神祭りや朴葉(ほおば)味噌、朴葉餅、すしなどの日常の葉に盛る料理にと引き継がれているようです。薬用には幹や枝の皮を日干した生薬「和厚朴」(わこうぼく)を漢方処方にして神経性胃炎・腹痛などに利用します。