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あしあと

    市長の『〝匠〟探訪記』~第4回 アルギット葡萄 梅原さん~

    • [2016年4月13日]
    • ID:143

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    市内で活躍されている〝匠〟と市長との対談で紹介する「〝匠〟探訪記」。第4回目は、絶品の味を提供している「舞鶴のアルギット葡萄」の生みの親、梅原治喜さんです。

    『″匠〟探訪記』第4回の様子1

    ブドウの木の下で記念撮影

    アルギット農法との出会い

    市長 アルギット葡萄を作るようになったきっかけは何ですか?
    梅原さん 私は、20歳の頃から農業を始めました。最初は切り 花や野菜の露地栽培をしましたが、どちらもうまくいかず、次にハウス栽培を行いました。それが今から40年ほど前のことです。最初はトマト作りでしたが、 「形」よりも「味」にこだわり、ほかのものとはひと味違うということで売り出しました。その中で出会ったのがアルギット農法でした。それまでいろいろな肥 料を試しましたが、たまたま、ノルウェー産の肥料をトマトに使ってみたら、今までよりも甘くて、つやがあり、香りのよいものができたのです。それで次はブ ドウ作りに挑戦したのです。

    市長 なぜブドウを作ろうと?
    梅原さん 子どもの頃にブドウが好きでしたが、なかなか食べることができませんでした。自分が食べたいものを作りたい、それを周りの人にも食べさせたいというのが原点です。それと、これからブドウの時代が来るという自分なりの確信もありました。それが30歳の頃です。

    市長 なぜ、アルギット農法でおいしくなるのですか?
    梅原さん ノルウェー産の海藻にはミネラルが豊富に含まれていて果樹のうまみ成分を引き出す力があります。しかし果樹栽培は肥料だけではなく水、土、光、温度などさまざまな要素が関係します。いろいろな経験を繰り返しながら、手間をかけて今の状態になったという感じです。

    『″匠〟探訪記』第4回の様子2

    匠の技に感心

    百聞は一見に如かず

    市長 長く農業をやってこられて、一番うれしかったことは何ですか?
    梅原さん 何といっても、初めて自分が求めてきたものができた ときです。満足するものがね。実はブドウは7年間実がならなかったんです。素人が最初から先生なしでやるのは無謀ですよね(笑)。その中でやってきて初め て自分の納得のいくものができたときは、それは何とも言えなかったです。

    市長 7年も?
    梅原さん はい。なぜ実らないのかわからなくて山梨までブドウ園を見に行きました。山梨からわざわざ来てもらったこともありましたし、岡山へも行きました。

    市長 先人として頑張っている方の所へ勉強に行くわけですね。
    梅原さん わからないままだと行き詰まるでしょ。聞きに行ける人がいたら聞きに行ったらよいのです。遠い近いは関係ないですよ。

    市長 私も同じです。手術の手技ですが、日本で5本の指に入るドクターを全員訪ねました。ああいうやり方もあるのだなと、とても勉強になりました。
    梅原さん 見るということはすごいことです。ほかのよいブドウを見て、どういうふうになっているのか。それがわかるようになったら自分のブドウもわかるようになる。いかに目を養っていくかだと思います。
    市長 まさに「百聞は一見に如かず」ですね。

    匠の技を後世へ

    梅原さん  去年の夏くらいから若いご夫婦に農業を手伝ってもらっています。この世界はある程度経験をつまないとうまくいきません。私が生きている間はいくらでも協力 するので、「目標」をもって、今の施設で何とかやれる体制を作れと言っています。何事も自分で汗を流さなかったらだめです。でも、自分は人にものを教えた ことがないので、どうやって教えたらよいのか正直わからないのです(笑)。

    市長 以前、多くの若手を育てられていた知り合いのドクターに、どうやって教えたらいいのかと尋ねたら、「働いている姿、背中を見 せればいい。一生懸命にやっているところを見せたら、言わなくてもいいのだ」と。私もそうだと思います。梅原さんが1つひとつ言わなくても、そばにいて見 ているだけで、工夫をしないといけないとか、ポイント、ポイントを若者はつかんでくると思います。

    失敗は成功への糧

    『″匠〟探訪記』第4回の様子3

    すぐに意気投合

    市長  最近の教育というのは、教科書やプログラムがあって、何でもマニュアルどおりにやっていればうまくいくということに慣れているのですよ。だから、新しいこ とには戸惑うのです。失敗しても、1から体験しながら学ぶことがないものですから。経験するということはすごく大事なことだと思います。

    梅原さん 失敗は何回してもよいが同じ失敗は繰り返すなと言っています。失敗なしに成功はない。私はずっと失敗ばかりでしたが (笑)。自分で判断して、どこでどう間違ったのか、病気でも何でもいかに早くそれに気がつくかが大事なのです。疑問に思ったら聞きに来いと。こっちから先 に言ってしまったら、何ひとつ考えなく自分で覚えようとしなくなります。そして若い者にはデータを残しておかなくてはだめだと言っています。今までは全部勘でやってきました。今、土壌分析を試験所でしてもらって、すべてをデータ化しようとしています。今の子はそういうのに強いですね。私なんか科学的なこと はからっきしですけど(笑)。ほかに大切なことは、(植物の)「顔」ですね。野菜の成長点です。葉のつやとか、のびやかにのびているかとか、成長がとまっ たら黒いくすんだ色になるし、若竹色と言うのですけど、そういう状態であるかどうか、水が足らなければ必ず黒くなるし、それを毎朝行って観察する。これが 重要です。

    これからの夢

    市長 アルギット葡萄がおいしいと言われていますが、もっともっと知っていただくために、何かしようとしていることはありますか?
    梅原さん 一 番いいのは、舞鶴の魚とかかまぼことかの「とびっきり」を売る場所を開設できないかと思っています。そういう形で売り出していくとまた違った宣伝効果が出 てくると思います。ここに来たら、いつでも買える。その期間中はいつでもありますよと。やはり、地元のものは地元で守りPRしていかなかったら、舞鶴の農 家はやっていけないのではないかと思います。

    市長 これからは販売ルートも考えていかなくてはなりませんね。
    梅原さん そういうシステムができて初めて農業は成り立っていきます。われわれ生産者の生産意欲も増すと思います。時代の流れには逆らえません。いかに先を読むかが大事です。

    市長 梅原さんは何でも前向きに努力される方ですが、これから先、やりたいことはありますか?
    梅原さん まず、後継者を育てることですね。それが第一です。1人だったら何が起こるかわからないので。2人は育てていきたい。そうすれば自分の役目は終わるのかなと思っています。

    市長 新たな分野というのは考えておられますか?
    梅原さん 今までやってきたことで精いっぱいですが、できたらここにしかない新しい品種を作ってみたいと思います。それができるのは千に一つですけど。

    市長 そういう働きはもうされていますか?
    梅原さん いやいや、それをさせてほしいので早くやめさせてくれと言っているのです。早く楽をさせてくれよって(笑)。

    市長 これからも、ぜひ、お元気で頑張っていただきたいと思います。
    梅原さん いつまでやれるかわかりませんけど(笑)
    市長 やれるまで(笑)。区切らずに。

    プロフィール

    梅原農園を経営。独学で農業を学ぶ。幾度となく失敗を繰り返し、究極の味にたどり着いた努力の人。梅原さんの作る「舞鶴のアルギット葡萄」は、舞鶴あぐりブランド推奨品にも登録されています。

    舞鶴のアルギット葡萄

    舞鶴のアルギット葡萄の写真

    ミ ネラルやビタミン、カルシウムなどの栄養素が豊富に含まれるノルウエ―産の海藻を肥料に用いる「アルギット農法」により育てられる。木や枝、葉、土との 「対話」ともいえる手間をかけた梅原さんの匠の技によって、濃厚な味と食べ応えで評判の葡萄が生み出される。食べごろは、8月上旬~10月中旬。


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