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    令和2年度施政方針(2月28日)

    • [2021年6月22日]
    • ID:8609

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    「心が通う便利な田舎暮らし」の実現に向けたまちづくりを

    ただいま上程されました令和2年度舞鶴市一般会計予算をはじめとする27件の議案の説明と併せて、令和2年度の市政運営に臨む私の所信の一端を述べさせていただき、議員各位並びに市民の皆様に、ご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

    これまでから申し上げておりますとおり、私は、市長に就任以来、「努力が報われる社会」と「真の弱者を助けあう社会」の実現、「信頼を裏切らず、約束を守り、感謝を忘れずに」という市政運営において拠って立つ信条・理念と、基本コンセプトである「選択と集中、分担と連携」をわずかのぶれもなく真っすぐに貫いてまいりました。

    また、市政運営における信条・理念、基本コンセプトを貫きながら、まちづくり施策の推進にあたっては、常に「顧客」、「コスト」を意識し、現地、現場において、市民、関係団体の皆様と対話を行い、客観的な統計値等も重視し、きめ細やかな情報収集によって現状・課題・ニーズを正しく把握する中で、明確な目標を掲げ、地域全体で情報共有を図り、日々変化する社会環境、地域課題に対し、既成概念にとらわれず、将来のあるべき姿の実現、想定されるリスクへの対処などに、柔軟、かつ、効率的でスピード感のある施策を計画的に推し進めてきたところであります。

    就任からの8年については、第6次総合計画に基づき、本市が将来にわたって「住みたい、働きたい、訪れたい」都市であり続けられるための未来のまちづくりの基盤づくりに主眼を置いた施策に重点的に取り組むことにより、まちづくり主要ハード・ソフト40事業を着実に推進することができたところであり、また、本市引揚記念館収蔵資料の「ユネスコ世界記憶遺産」登録や、旧軍港四市の歴史ストーリーの「日本遺産」認定など、本市ならではのまちの魅力を磨き、価値を高め、市民がまちに誇りを持ち、行政と一緒に元気なまちづくりを頑張ろうと思ってもらえる土台、企業等に投資や連携をしてまちづくりを手伝ってもらうことのできる土台ができ、持続発展可能なまちづくりの基盤が整ったものと考えております。

    私は、市政運営を推し進める上で重要なことは、こうしたまちづくり施策の取組実績を積み重ね、連携の輪を広げながら、変化することをおそれず、より良いまちづくりを実現するための創意工夫を凝らした取組に挑戦し、まちの未来の可能性を高めていくことであると考えております。

    昨年4月にスタートした第7次総合計画は、前計画8年間で築いてまいりました持続可能なまちづくりの基盤のもとに、本市の豊かな自然、歴史、文化や、少し足を延ばせば都会にも行けるという立地性を最大限に活かし、経済人口10万人規模の都市機能を確保しながら、まちの将来像として、新たな技術を導入した持続可能な未来型のスマートなまち、「心が通う便利な田舎暮らし」の実現を、新たなまちづくりへの挑戦として掲げたものであり、目指す方向性等に賛同いただいた教育機関、民間企業等から、知恵、人材、ノウハウやネットワーク、また、投資を呼び込み、多様な連携のもとに、好循環を生み出し、大きく動き出しております。

    ご承知のとおり、第7次総合計画に掲げる「心が通う便利な田舎暮らし」の方向性に賛同いただいた舞鶴工業高等専門学校、オムロンソーシアルソリューションズ、KDDI、J&J事業創造、ハッシャダイファクトリー、美京都、京都電子計算等と連携して展開する「舞鶴版Society5.0 for SDGs」の取組は、昨年7月、国の「SDGs未来都市」、さらには全国のモデルとなり得る10自治体に与えられる「SDGsモデル事業」に選定されたところであります。

    今後、施策の展開や、まちづくりの推進において、さらに多様な連携による取組を創出していくためには、市民の皆さんはもとより、各界各層へ、明確なまちの将来像や、その実現に向けた具体的なまちづくりの方向性、施策、事業の有用性を示す統計値等の情報、そして、何よりもまちづくりにかける熱意を、広く発信し、多くの皆さんにご理解いただくことが重要であると考えております。

    令和2年度におきましては、これまでの実績を最大限に生かし、「心が通う便利な田舎暮らし」の実現に向け、全員野球で果敢に挑戦してまいりたいと考える次第であります。

    それでは、上程されました議案につきまして、その概要を説明いたします。

    はじめに、第1号議案から第9号議案までの令和2年度一般会計予算及び各特別会計予算について説明いたします。

    本市財政を取り巻く情勢は、基幹収入である市税が舞鶴火力発電所2号機稼働により固定資産税の増収効果のあった平成23年度の150億円をピークに減少傾向で推移しており、今後の見通しにおいても固定資産税の減収に加え、人口減少等の社会的要因も相まって、引き続き減少していくものと予測しております。

    一方、歳出においては、少子高齢化への対応や、医療、介護等特別会計への繰出金など、社会保障関係施策の充実等による義務的、経常的経費の増加に加え、道路・橋りょうなどの社会基盤や公共施設等の長寿命化対策、更には度重なる災害被害に対応した減災・防災対策など、市が直面する行政課題は多種多様化しており、それらに対応する財政需要は大きく拡大しております。

    更に、本市では、平成30年の7月豪雨をはじめ、平成29年の台風21号、平成25年の台風18号など、度重なる大災害に見舞われ、これら自然災害の発生は、市民生活や地域経済等への影響のみならず、市財政への影響についても看過できないものとなっております。

    私は常々、財政運営の基本は、財政の身の丈を踏まえ、得られた財源の中で創意工夫を凝らし最小の経費で最大の効果を発揮させることであると考えております。その実現に向けて、市長就任直後から債権管理や公共施設マネジメント、多様な任用制度の導入による人件費総額の抑制、更には受益者負担の適正化など、強い決意を持って行財政改革の推進に取り組んでまいりました。

    予算編成においても、市税収入の減少や人口減少・高齢化等社会構造の変化、頻発する自然災害による市財政への影響等を見据え、「得られた財源で最大の効果を発揮させる」との方針のもと、収入の身の丈の範囲で歳出予算を構えることを基本として財政運営に取り組んでまいりました。

    そして、平成30年度予算編成からは、これら基本方針に基づいた予算編成をより厳格、かつ効果的に機能させるため、歳入予測に基づいた歳出予算枠を各部に配分する、いわゆる枠配分方式による予算編成に取り組んだところであり、令和2年度予算編成においても、前年度の枠配分方式を基本に各部の自主性と創意工夫を働かせた戦略的な予算編成に取り組んだところであります。

    また、将来世代の負担と相関する「市債」と「基金」においても、建設地方債の新規発行額を既発債の元金償還額以下にとどめるとともに、一方、基金においては、知恵と工夫を凝らした歳出予算のスリム化や効率化、財源の確保等により、繰入額を前年度比で2億400万円圧縮するなど、将来世代の負担を抑制し、経済事情の変動や災害等にもしっかりと対応できる体制を備え、健全で持続可能な財政基盤を将来世代に引き継ぐ責任を果たすべく財政規律を最大限働かせた予算としたところであります。

    これら持続可能な健全財政への取組を強化する一方、昨年4月にスタートした第7次総合計画に掲げる「心が通う便利な田舎暮らし」の実現に向け、「国のSDGsモデル事業」に選定された「舞鶴版Society5.0 for SDGs」、さらには令和2年度からスタートする「第2期舞鶴市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を推進するため、3つのまちづくり戦略において重点施策と位置付ける子育て、教育、医療、福祉、防災、地域経済の活性化などに戦略的、効果的に取り組むこととしており、これら予算の編成にあたっては、創意工夫と知恵を最大限に働かせ、各種サービス水準を維持しながら、既存事業や経常経費の縮減に取り組むとともに、国府補助金や「企業のチカラを地域のチカラに」活かす企業版ふるさと納税等、様々な財源の積極活用による財源構成の改善に取り組んだ結果、基金繰入を前年度比で2億400万円抑制しつつも増額となる予算を確保したところであります。

    これにより、令和2年度の一般会計予算額は348億7,858万円、公営企業を含む特別会計の予算額の合計は293億5,589万円で、一般会計と特別会計を合わせた合計額は、642億3,447万円となっており、前年度当初予算比で4億8,421万円の増となっております。

    なお、基金繰入額につきましては、予算編成時はもとより、執行時においても、全庁一丸となって、積極的な補助制度の活用や民間との連携などにより様々な財源確保に取り組み、歳出においても引き続き創意工夫により効率的・効果的な執行に努めると共に、入札などにより歳出額が確定していく中で、決算時においては、基金繰入額をさらに減少させるよう努めてまいります。

    推し進める3つのまちづくりの重点事項に基づく施策

    心豊かに暮らせるまちづくり

    次に、令和2年度において推し進めるまちづくりの重点事項に基づく主要施策等について説明いたします。

    第1に、本市のまちづくりの根幹に位置付ける「心豊かに暮らせるまちづくり」についてであります。

    豊かな自然、連綿と引き継がれてきた歴史・文化、特色ある教育環境、そして充実した子育て環境に加え、少し足を延ばせば都会に行けるという立地性などを最大限に活かし、都会では得ることのできない環境や、共に助け合う地域コミュニティの中で、市民一人ひとりが夢や希望を叶え、心の豊かさや生きがいを持って暮らすことができるまちづくりを推し進めてまいります。

    まず、「心が通う便利な田舎暮らし」の実現に向けた「舞鶴版Society5.0 for SDGs」の取組についてであります。

    本取組は、豊かな自然、歴史・文化に触れながら、人と人とのつながりを生かし、教育機関や企業等との多様な連携のもと、新たな技術を積極的に導入することによって、便利で快適に暮らすことができるまちの実現を目指すものであります。

    ご承知のとおり、昨年、国が示した「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、多様なひとびとの活躍による地方創生を目標とする「多様な人材の活躍推進」、地域におけるSociety5.0の推進や地方創生SDGsの実現を目標とする「新しい時代の流れを力にする」が、戦略を推進する横断的施策の柱に掲げられているところであります。

    多様な連携による「舞鶴版Society5.0 for SDGs」の取組は、まさに国の動きに先駆けるものであり、本市の取組は、地方創生のモデルとなり得るものと認識しております。

    令和2年度においては、国の地方創生推進交付金、企業版ふるさと納税制度等も活用しながら、「舞鶴版Society5.0 for SDGs」の取組を積極的に推し進めるとともに、戦略的な情報発信を行い、多様な連携の輪をさらに広げてまいります。

    まず、新たなライフスタイル、交流、価値の創造を提案する「舞鶴赤れんがコワーキングスペース」については、都市部と市民、市内事業所との交流を促すセミナーやワークショップの開催、企業のモニターツアーの定期的な開催によって、市内の若者が交流とチャレンジするきっかけづくりを創出するとともに、子どもを対象にしたプログラミング教室などの多様なワークショップを開催するなど、新たな交流を創出する拠点としての機能をさらに充実・強化してまいります。

    また、コワーキングスペースを拠点に、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中にテレワーク・デイズを推奨する国等の動きに合わせて、本市においても7月下旬から9月上旬を「テレワーク・デイズ」と位置づけ、首都圏等の企業をテレワーク誘致することによって、この地域の魅力に触れ、関係人口の創出やテレワーク参加者による市内観光消費額の増加につなげてまいります。

    さらに、向学心のある市民が職業上の新たな技術を得るための学び直し、すなわち「リカレント教育」を受けることができる環境を構築し、市民の能力開発はもとより、企業が求める人材ニーズに対応した地域人材の育成に取り組んでまいります。

    現在、地域の移動を支える公共交通は、人口減少による利用者数の減少という課題に加え、交通事業を支える担い手の高齢化、人材不足といった課題に直面しております。そのような中、日本交通とオムロンソーシアルソリューションズと共に、2030年の地域交通のあり方を見据え、日本初となるバス、タクシー、住民同士の送迎を組み合わせた「共生型MaaS」いわゆる「meemo(ミーモ)」の実証実験を、本年4月から、高野地区と加佐地域において開始し、持続可能な地域交通のあり方を検討してまいります。

    また、人口減少社会において、より効果的な移動手段の確保に取り組むため、「meemo」の実証実験結果や昨年8月に近畿運輸局と締結した「地域連携サポートプラン協定」において提案される地域の交通課題や解決策などを踏まえ、市の交通マスタープランとなる「舞鶴市地域公共交通網形成計画」を策定し、将来にわたって持続可能な公共交通体系の維持を目指してまいります。

    こうした共生社会における新たな公共交通の実現等に向け、企画政策課に「交通政策担当課長」を配置し、関係機関等との連携強化による施策を強力に推進してまいります。

    また、近年、市内で浸水被害等が頻発していることを受け、オムロンソーシアルソリューションズやKDDI、舞鶴工業高等専門学校との連携による市民への防災情報の見える化を目的とした情報発信システムの構築・導入促進を加速するため、浸水の要因となっている河川等にセンサーとデータ通信機器を設置し、水位観測、水位変位予測及び浸水予測等を行ってまいります。

    加えて、ICT等を活用した生産性の向上や高品質生産を可能にする新たな農業手法を研究し、舞鶴の環境にあったスマート農業の推進に努めてまいります。

    さらに、企業との多様な連携や先進技術の導入による業務の見直しにより、職員が能力を最大限発揮できる市役所づくりに向けた取組の一つとして、手書き文字をデータ化するAi-OCRや、従来手作業で行っていた事務処理をソフトウェアロボットが行うRPAの導入部署を拡大し、さらなる行政サービスの向上に向けた業務の効率化に努めてまいります。

    また、マイナンバーカードを基盤とした安全・安心で利便性の高いデジタル社会と公平で効率的な行政の構築に向け、国・関係機関、民間事業者等と連携しマイナンバーカードの普及・利活用の取組を推進するため、新たに、総務課に「マイナンバーカード普及・利活用促進担当課長」を配置いたします。

    現在、「舞鶴版Society5.0 for SDGs」の推進につきましては、教育機関をはじめ、多くの企業に賛同、協力いただきながら各種事業を展開しているところでありますが、今後、さらなる連携協力の輪を広げる環境づくりの一つとして、企業投資を促進する「企業版ふるさと納税」制度の積極的な活用を図ってまいります。

    また、まちの主役である市民や団体の皆さんの力を結集し、持続可能なまちづくりを進める機運を高めていくため、シティブランディングに取り組み、まちの魅力の掘り起こしや計画的・効果的な情報発信はもとより、地域への愛着や誇りにつながる取組を展開してまいります。

    次に、「子育て環境日本一を目指すまち」についてであります。

    妊娠から出産、子育て、さらには18歳までの切れ目のない子ども・子育て支援に、家庭、地域、関係機関と連携して取り組み、安心して子どもを産み、子どもたちの豊かな育ちと成長が実感できる施策を推進してまいります。

    市におきましては、これまでから、子育て家庭を孤立させないよう、産婦健康診査や新生児訪問などを通じ、母子の状態を把握し、産後ケア事業や相談・訪問事業など必要な支援を行ってきたところであります。

    近年、核家族化や地域コミュニティの希薄化などにより、子育てに対して不安や負担、孤立感を感じる家庭の増加や、さらには、虐待に繋がる不適切な関わりも増える中で、本市の虐待相談件数は5年前と比較して約2倍に増加するなど、子どもや家庭を取り巻く環境にも様々な課題が生じております。

    市といたしましては、こうした状況を踏まえ、地域子育て支援拠点である子育てひろばにおいて、地域に出向いて支援を行うアウトリーチ型に機能を大きくシフトするなど、顔の見える子育て支援体制をさらに強化し、「児童虐待」の芽を摘み取る取組を推し進めてまいります。

    さらに、子どもと家庭の総合支援拠点である「子どもなんでも相談窓口」においては子ども総合相談センターを中心に、18歳までの子どもに関する様々な不安や悩み、困りごとに対し、早期、迅速、的確な相談対応を行うとともに、支援が必要な家庭には児童相談所や警察、教育機関等の専門機関とのネットワークを活用して児童虐待の早期発見と適切な対応を行い、すべての子どもが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを推進してまいります。

    また、乳幼児健康診査の実施により、疾病や異常の早期発見に加え、子どもの発達段階に応じた支援や親支援に取り組むとともに、感染症の発生及び蔓延を防止するため、定期予防接種の対象疾病を拡大するなど予防接種事業を推進してまいります。令和2年度におきましては、乳幼児に急性胃腸炎を引き起こすロタウイルスのワクチン接種を10月から公費負担にしてまいります。

    近年は、自分の子どもが生れて初めて赤ちゃんに触れるという親が増えております。そのような中、高校、高等教育機関において実施してまいりました「生徒・学生と乳幼児親子とのふれあい交流」を新たに対象を中学校にまで拡大し、命の大切さへの気付きや、抱っこをはじめとする乳幼児との接し方など、将来親になるための学びの機会を充実してまいります。

    また、持続可能な子育て環境の実現に向け、“お互いさま”の関係による「共助・共生」の子育て支援体制を構築するため、中高齢者の子育て支援参加なども促進してまいります。

    近年、医療技術の進歩を背景に、医療機関を退院後も、人工呼吸器の使用や経管栄養、喀痰吸引などの医療的ケアを必要とする子どもが本市においても増加している状況にあります。

    とりわけ、日常的に家庭で人工呼吸器の使用や経管栄養、喀痰吸引などの医療的ケアが必要な子どもを持つ家族は、ほぼ24時間の看護を365日続けており、慢性的な寝不足や疲労、命を預かることへの緊張感が蓄積し、心身の負担感は、大きなものとなっております。

    このような現状を踏まえ、医療的ケアが必要な子どもの看護に携わる家族の負担軽減や日中活動の促進に向けた支援策の充実を図るため、医療、保健、障害福祉、保育、教育等、関係課の連携体制を強化し、真に支援が必要な行政サービスを一体的かつ効果的に推進するため、子ども支援課に「医療的ケア児支援担当課長」を配置いたします。

    次に、乳幼児教育の充実・強化につきましては、昨年4月に設置しました乳幼児教育センターを拠点として、公立・民間、保育所・幼稚園、認定こども園、小学校間の枠を超えた教育・保育の質の向上に向けた取組や環境整備を促進することにより、乳幼児期の子どもの豊かな育ちへとつなげてまいります。

    また、家庭はもとより、関係機関、地域など多様な主体と連携を図りながら、地域ぐるみで「子どもの豊かな育ちを支える環境づくり」を進めてまいります。

    こうした質の高い乳幼児教育の充実を図り、安定した保育サービスを提供するため、これまでから、質の高い保育を実践し、負担のかかっている民間保育士への賃金上乗せ補助を行ってまいりました。また、新卒者等を対象にした家賃補助などを実施するとともに、京都市内等の保育人材養成学校への就業促進活動など、保育人材の確保及び離職防止に向けた様々な取組を行ってきたところでありますが、令和2年4月1日時点の保育所等の入所において、待機児童の発生が見込まれることとなりました。

    その主な要因は、当初想定していた保育士数を維持・確保することができず、また、多数の離職者の発生に伴う保育士不足でありますが、子育て環境日本一を目指す本市において、待機児童発生を回避することは、最優先すべき事項と認識しているところであります。

    市といたしましては、待機児童の発生を回避するためのさらなる対応策として、質の高い保育を実践し、尽力されている保育士に対する賃金上乗せ補助の増額のほか、いわゆる潜在保育士が再就職しやすくなるよう研修の機会を充実させるなど、人材確保・離職防止に向けた対策を速やかに実施するとともに、保育士の負担軽減と働きやすい環境の向上に向けたICTの導入促進などを強化していくことにより、希望するすべての人が安心して子どもを預けることができる環境づくりを推し進めてまいります。

    次に、学校教育においては、教育振興大綱に定める子ども像「ふるさと舞鶴を愛し、夢に向かって将来を切り拓く子ども」の実現に向け、「小中一貫教育」により、義務教育9年間を修了するのにふさわしい確かな学力の定着や、豊かな人間性・社会性、健やかな体など、バランスのとれた生きる力の育成に取り組んでいるところであります。

    子どもたちの夢を育み、その夢の実現を支えるため、本市独自の「夢チャレンジサポート事業」を引き続き実施するほか、教員が福井県や秋田県での長期派遣研修により派遣先で学んだ実践を全ての学校で授業に活かし、授業改善を通した学力向上対策強化を図るなど、本市教育の一層の充実に努めてまいります。

    また、小中学校の教員がICT機器を効果的に活用し、質の高い授業を実践するとともに、来年度からの新学習指導要領の円滑な実施に向け、学力の定着に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。

    さらには、本市の特色ある歴史、文化、豊かな自然や主要産業などについて、本市独自の副読本や校外学習などを通して学ぶとともに、私自らが各中学校において実施する中学2年生を対象にした「ふるさと舞鶴講義」等の取組を通じて、ふるさと舞鶴に誇りと愛着を持ち、将来、地域社会に貢献できる人材として成長できるよう、引き続き、ふるさと学習に積極的に取り組んでまいります。

    また、教員が子供一人ひとりに向き合うことができる環境の確保と、業務負担軽減に向けた取組をさらに充実させ、英語の専科教員をはじめ、スクールカウンセラー、部活動指導委員、スクールロイヤー等を配置し専門性を生かした持続可能な指導体制の充実を図ってまいります。

    加えて、保護者や地域の方々に参画いただき学校運営を行う学校運営協議会制度、いわゆるコミュニティ・スクールの運営の充実を図るとともに、学校と地域が連携・協働して行う教育活動の活性化など、地域ぐるみで子供の教育を支える体制の充実を図ってまいります。

    子どもの放課後の過ごし方の一つである放課後児童クラブについては、身近な地域社会と学校、家庭との連携を大切にしながら、子ども達が安心して生活できる第3の居場所としての充実を図るため、令和2年度においては、志楽小学校区地域放課後児童第1クラブの建て替えを実施するなど、順次環境の改善に努めるとともに、将来を見据えた持続可能な運営を目指し、支援員の確保や研修等を通じた支援の質の向上に取り組んでまいります。

    不登校児童生徒への対応につきましては、依然として不登校児童生徒が増加の傾向にあることから、学校と教育支援センター「明日葉」の連携強化や、京都府認定のフリースクール「聖母の小さな学校」への新たな支援を行うなどさらなる連携を図る中で、個々の児童生徒に寄り添いながら学校生活への復帰と社会的自立に向けた支援に取り組んでまいります。

    いじめ対策につきましては、教育委員会と全小中学校が一体となり、「舞鶴市いじめ防止基本方針」に基づく対応を徹底するとともに、いじめ相談室による24時間体制での電話相談やメールでの相談受付、臨床心理士による専門的な対応により、いじめの防止、早期発見、いじめに対する措置に取り組んでまいります。

    加えて、ひとり親家庭の経済的自立を促進するため、就職に有利な資格取得支援として、高等職業訓練促進給付金等、各種就業支援制度の利用促進を図るとともに、生活福祉資金の貸付等、京都府との連携を行う中で、生活安定に繋がる取組を継続し、自立に向けた支援に取り組んでまいります。

    次に市民一人ひとりがお互いの人権や個性を尊重する地域社会の構築についてであります。

    全ての人の人権が尊重される社会を築くため、「舞鶴市人権教育・啓発推進計画」に基づき、さまざまな機会を通じて人権意識の向上に引き続き努めてまいります。

    また、あらゆる分野において、男女が互いの人権を尊重しながら平等に参画し、個性に応じて能力が発揮できる社会を推進するため、意識づくりや啓発を強化するとともに、ワークライフバランスの向上などの取組を進め、だれもが活躍できる環境づくりに努めるなど、持続可能な開発目標であるSDGsの1つ「ジェンダー平等」な社会の実現を目指し、男女共同参画の推進を図ってまいります。

    その中で、配偶者等からの暴力(DV)のみならず、あらゆる暴力の根絶に向け、若年層への啓発を進めるとともに、暴力に苦しむ被害者の相談や保護、自立支援等を総合的に支援する女性相談員を新たに配置し、関係機関等と連携した支援体制を構築してまいります。

    次に、豊かな自然を守り育む取組についてであります。

    古来より海とともに歩み、発展・交流してきた「海のまち・舞鶴」として近年、国際的な課題となっている海洋プラスチックごみの削減に向け、関係機関・団体と連携し、環境美化活動の拡充や海洋プラスチック流出防止対策など新たな取組について検討を進めてまいります

    また、ごみの減量化・資源化につきましては、将来にわたり安定した廃棄物の適正処理を継続していくため、舞鶴市廃棄物減量等推進審議会からの答申を踏まえ、近隣市ですでに実施されている不燃ごみの有料化、可燃ごみ処理手数料の値上げ、施設への直接搬入手数料の徴収といった、ごみ処理手数料の見直しに向けた準備や舞鶴市一般廃棄物(ごみ)処理基本計画の中間見直しを行っていくとともに、清掃事務所の長寿命化に向けた工事や新たな一般廃棄物最終処分場の整備を進めてまいります。

    次に、地域の歴史・文化を生かしたまちづくりについてであります。

    本年は、まち全体が一体となって、本市所蔵引き揚げ関連資料のユネスコ世界記憶遺産登録を果たしてから5周年を迎えます。加えて、戦後75年・海外引き揚げ開始75年という節目の年を迎えることから、未来を担う世代が引き揚げの歴史を通して、命の尊さや人と人の結びつきの大切さ、また歴史的な海外とのつながりなど国際的な視点の重要性に思いを馳せる機会を創出するため、若い世代と共に未来の平和を考えるフォーラムや舞鶴やシベリアを舞台とした音楽劇「君よ生きて」の公演などを実施してまいります。

    また、10月7日の「舞鶴引き揚げの日」を中心として、引揚者を温かくお迎えした誇るべきまちの歴史を郷土愛の醸成に繋げ、地域や学校との協働により「次世代への継承」から「次世代による継承」を目指して取り組んでまいります。

    ご承知のとおり、現在、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、日本全体で大会成功への機運が高まりを見せております。

    本市におきましては、オリンピック聖火リレーやパラリンピック採火式の実施をはじめ、引き揚げの歴史を縁とするウズベキスタン共和国のホストタウンとして、市民応援団をはじめ、市民レベルでの応援機運を醸成し、レスリング、柔道両競技の代表選手団の事前合宿受け入れをまちぐるみで行うとともに、赤れんが博物館における企画展「ウズベキスタンのれんが」の開催等を通じたウズベキスタン共和国に対する市民理解を深める取組や、リシタン地方との覚書に基づく農業技術協力などを展開し、ホストタウンの取組をオリンピックレガシーとして未来につながる交流へと発展させてまいります。

    「心豊かに暮らせるまちづくり」に基づく施策を展開し、まちの魅力を高める中で取り組んでまいりました移住・定住施策につきましては、本年度1月末時点で、既に過去最高であった昨年度の13組33名を上回る15組37名の移住が決定したところであり、私が市長に就任した平成23年以降では、58組137名の移住、殊に、担当課長を配置するなど、全庁的に移住・定住施策の展開を始めた平成29年度以降では、40組96名の移住となったところであります。令和2年度におきましても、農村集落空き家情報バンク制度等を活用しながら、「心が通う便利な田舎暮らし」ができるまち、住みたくなるまち舞鶴を発信し、さらなる移住者増加に努めてまいります。

    また、地域が抱える諸課題の解決に向けて、住民や自治会が主体となって地域づくりに取り組めるよう支援するとともに、多様な主体が「自助」「共助」「公助」の役割分担の意識を共有し、連携して地域課題の解決にあたる仕組みづくりに向け、NPO法人や、中間支援組織、教育機関等との連携を図りながら、持続可能なまちづくり施策の形成に取り組んでまいります。

    安心のまちづくり

    次に、第2のまちづくり戦略である「安心のまちづくり」についてであります。

    市民が安心して暮らせるまちづくりを行っていくことは行政の責務であります。近年、局地化・複雑化する危機事象への対応や、人口減少、少子高齢化など、今日的な社会課題に柔軟に対応しながら、国、京都府等との連携はもとより、教育機関、企業等との多様な連携を生かし、先進技術等を積極的に導入する中で、将来を見据えた都市基盤づくりや、あらゆる福祉の推進により誰もが健康でいきいきと暮らせるまちづくりを推し進めてまいります。

    まず、「防災・減災対策の強化」についてであります。

    近年、全国各地で水害や土砂災害が広域かつ甚大に発生し、災害に強いまちづくりへの関心が高まる中、国、京都府等と連携した防災・減災対策事業を強力、かつ、迅速に推進するとともに、防災関係機関とのさらなる連携強化を図り、災害リスクと取るべき避難行動についての周知に努め、市民の皆さんと一体となって、さまざまな危機事象への対応に備え、災害に強い「安全で安心なまちづくり」を推し進めてまいります。

    まず、治水対策につきましては、大規模災害に備え、河川整備を積極的に進めているところであります。

    国が行っている由良川の整備につきましては、平成26年度から着手している輪中堤整備や宅地嵩上げ事業の完了に続き、河川内に繁茂して流れに支障をきたしている樹木伐採や河道掘削を進めていただくことで河川の機能回復を図ることとしており、流域の住民が安心して生活を送っていただけるよう、事業の促進に積極的に取り組んでまいります。

    また、樋門閉鎖時の内水対策については、市では対象地域の現状調査、輪中堤地区の内水ハザードマップの作成、新たな排水ポンプ車の購入に加え、引き続き国の排水ポンプ車の前進配置など、今後さらに、国・府の支援をいただき、迅速かつ効果的な対策を進めてまいります。

    また、市街地の浸水対策につきましては、京都府が管理している高野川や伊佐津川の河川整備において、引き続き京都府と連携を図りながら、事業の早期完成に努めるとともに、市が管理している京田川や天台川等につきましては、浸水被害の恐れのある個所の護岸改修などを計画的に進めてまいります。

    西市街地高野川の治水対策におきましては、府・市が共同で推進していることが、国から全国のモデルとして事業間連携事業に選ばれ、全体工期が5年短縮できることになり、現在、大手ポンプ場の築造工事を進めているところであります。

    令和2年度からは、静渓ポンプ場等の築造工事に着手するほか、高野川西側地域におけるポンプ場建設用地の取得や詳細設計を進めるとともに、東市街地におきましても、浸水対策基本計画に基づき、詳細検討等を進めてまいります。

    次に、「原子力防災」についてであります。

    日本のエネルギー政策については、国において、再生可能エネルギーを将来の「主力電源」としていく方針の中で、原子力については、「依存度を可能な限り低減していく」こととされ、それまでの間は、「重要なベースロード電源」に位置づけるとの方針が出されていることを踏まえ、市におきましては、原子力災害時の広域避難体制の整備や、原子力防災対策用資機材等の整備、避難道路等のインフラ整備の支援を要望するとともに、運転開始から40年を超える「高浜発電所1・2号機」の再稼働については、建設当時の枠組ではなく、「原子力災害対策指針」に基づく新たな認識の下で進められるべきと考えることから、国に対し、原子力発電所の再稼働に際して同意を求める自治体の範囲や関与のあり方、具体的な手続等を定めた法律の整備において、全面緊急事態に陥った場合には、住民の即時避難が強いられるPAZを有する本市に、法令上の同意権が付与されるよう引き続き強く求めてまいる所存であります。

    令和2年度においては、避難方法に関する周知を一層図り、住民避難訓練を通じて、その実効性を高めるとともに、国や京都府と連携した新たな危機管理体制の充実強化を図りつつ、避難路整備やモニタリング体制、情報伝達の強化等に取り組み、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。

    次に、消防防災体制につきましては、あらゆる災害に備え、防災関係機関との連携を強化するとともに、常備消防、消防団の消防車両の更新、小型動力ポンプ軽搬送車の増強、更には今年度中に総務省消防庁から配備を受ける「津波・大規模風水害対策車」の運用により、災害対応力の強化に努めてまいります。

    また、京都府及び府内各市町村の共同により、本年10月から運用開始予定である「救急安心センター#7119」は、市民が急な病気やケガの時に、医師などの専門家に相談できるシステムを構築するものであり、当該センターとの連携を図りながら、市民のさらなる安全・安心を確保する取組を進めてまいります。

    次に、「地域医療の確保」に向けた取組についてであります。

    昨年9月、厚生労働省が、医療機能の見直し等が必要と位置付けた424の公立・公的医療機関の実名を公表し、地域での議論を促すこととなったところであり、その中には、本市の舞鶴赤十字病院も含まれておりました。

    しかしながら、本市は、平成24年3月に厚生労働省の承認を受けた京都府中丹地域医療再生計画のコンセプトである医療機能の「選択と集中・分担と連携」の考え方は、今回の、国が示す医療機能の再編や機能転換といった考え方と同じであり、これまでの間、京都府はもとより、各公的病院をはじめとする関係機関が連携しながら、地域医療の充実に取り組んできたところであります。今後とも、各公的病院が有する特色ある機能の充実を図ることにより、市全体で総合的に地域医療が機能する体制の深化に努めてまいります。

    また、京都府及び京都府立医科大学と協議・要請を行い、地域に不足する、総合診療医、救急医、麻酔科医等の確保に努めるとともに、人口30万人を背景とした京都府北部での医療連携に取り組むことにより、高度専門医療を含む医療の完結を目指し、市民の皆様が地域で安心・安全に暮らすことができる医療の確保並びに持続的・安定的な提供に努めてまいります。

    市民病院につきましては、「医療療養型病院」移行後の運営実績を踏まえ、今後も市内公的3病院等と一層緊密に連携を図りながら積極的に患者を受け入れ、地域における慢性期の医療ニーズにしっかりと対応していくとともに、在宅との橋渡し的機能も強化し、在宅医療を必要とする患者が可能な限り住み慣れた地域で生活できるよう、在宅医療を支える機能も担う中で、地域の医療ニーズに対して、より一層応える「存在価値のある病院」として持続可能な病院運営を行い、地域医療に貢献してまいります。

    また、加佐診療所については、高齢化や過疎化など地域の実情や市全体の医療環境を踏まえる中で、必要な医療の提供に努めてまいります。

    次に、健康で生きがいを感じ、安心して豊かな生活を営むことができるまちづくりを、多様な連携により推し進めるため、市民の健康づくりを支援する企業、民間団体、地域コミュニティ等の取組を支援し、これら企業・団体と連携を図りながら、地域社会全体で市民の健康づくりを支援する環境整備を推進するとともに、各種健(検)診の受診率向上や生活習慣病の発症・重症化予防、運動習慣の定着や食生活の改善など健康づくりの取組を推進し、健康寿命の延伸を目指してまいります。

    また、各種がん検診や特定健康診査の受診率及び特定保健指導の実施率向上に向けた取組を徹底して行っていくことで、病気の早期発見・早期治療及び重症化の予防に繋げてまいります。

    さらに、超高齢化社会を迎えるにあたり、高齢者が抱える様々な健康課題を包括的に把握し、地域の高齢者が集う場での健康を切り口とした介入や訪問を行うことで高齢者の健康の維持・増進を図ってまいります。

    次に、「舞鶴版コンパクトシティの推進」についてであります。

    人口減少・少子高齢化はもとより、まちなかの空洞化など社会状況の変化が進行する中、将来の人口規模に見合った都市構造への再構築を図るため、区域区分の変更など将来の人口規模や産業構造に見合った適正な市街地規模への見直しを進めます。

    さらに、まちなかへの都市機能の集積や居住の誘導、賑わいや地域コミュニティの創出、また、歴史を生かした利便性が高く効率的で心豊かに暮らせるまちづくりや、周辺部とのバランスのとれた住環境を創出する「舞鶴版コンパクトシティ+ネットワーク」の形成を進め、持続可能な新たなまちづくりに取り組んでまいります。

    次に、安定した上下水道の確保についてであります。

    水道事業につきましては、令和2年度からスタートする「新水道ビジョン」に基づき、老朽化した水道管や施設の更新や耐震化などを計画的に実施するとともに、近年、増加している由良川の塩水遡上への対応として、取水箇所の変更など、新たな対策を検討してまいります。

    下水道事業につきましては、「舞鶴市水洗化総合計画」に基づき、公共下水道処理区域の拡大に鋭意取り組んでまいりましたが、令和2年度をもって、昭和35年に管渠の埋設工事に着手して以来、約60年に渡る整備が概ね完成を迎える予定であります。

    今後は、「下水道ストックマネジメント計画」に基づき、老朽化した下水道管や汚水処理施設の修繕・改築等を行い、持続的な下水道機能の確保とライフサイクルコストの低減を図ってまいります。

    活力あるまちづくり

    次に、第3のまちづくり戦略「活力あるまちづくり」についてであります。

    はじめに、本市に所在するジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所における商船部門の撤退についてでありますが、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所は、舞鶴海軍工廠を前身として約120年もの歴史を有し、古くから本市産業を支える中核企業として、今日まで本市の地域経済の活性化や雇用の創出に多大な貢献をいただいてきたところであります。

    加えて市内には造船関係会社をはじめ幅広い関係企業も集積・活動されている状況であり、本市経済に与える影響は多大なものと危惧いたしております。

    市におきましては、今後、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所をはじめ、関連企業の雇用などの不安が生じないよう万全を期していただくよう申し入れ、商船にかわる新たな事業を舞鶴事業所において展開していただけるよう要請するとともに、市が先頭に立ち、関係機関との連携のもと、舞鶴事業所の従業員はもとより、影響を受けるすべての雇用者の雇用対策と、関連企業の支援等について専従職員を配置する中で、しっかりと対応してまいる所存であり、ジャパンマリンユナイテッドに対して支援に必要となる詳細な情報提供を求めてまいります。

    また造船業は、四方を海で囲まれた海洋国家日本において極めて重要な基幹産業でありますが、昨今、日本の造船業界を取り巻く環境は大変厳しい状況にあるため、国に対し、造船業が衰退することないよう要望していまいります。

    こうした状況の中で、活力ある本市の地域経済の維持発展を図るため、本市の特徴である港湾を活かした、人流・物流の活性化を推進するとともに、新たな産業の立地と本市経済を支える元気な中小企業者の育成と支援を進めてまいります。

    また、交流人口のさらなる増大を図るため、観光振興をより一層強力に推し進めるほか、全国に誇れる農林水産業や観光関連サービスなどの産業の高付加価値化、更なるブランド力の向上を目指し、地域経済の安定、活性化を図る「活力あるまちづくり」を推し進めてまいります。

    新たな産業の立地については、本市最大の資源である京都舞鶴港の活用や、未来のまちづくりに必要なエネルギーの拠点化、先進技術の導入など、本市の産業振興の明確なビジョンを発信する中で、京都府をはじめ、金融機関等と多様な連携による誘致体制を構築するとともに、私自らが先頭に立ち、企業ニーズ等に、迅速、かつ柔軟に対応する戦略的な企業誘致を積極的に展開してまいります。

    次に、商工業の振興につきましては、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所の商船部門の撤退や、新型コロナウイルス感染拡大による市内事業者への影響も懸念される中、京都府や舞鶴商工会議所との連携をこれまで以上に強化し、連携協定を結んでいる京都銀行、京都北都信用金庫とも連携する中で、市内事業者のニーズをしっかりと把握しながら意欲ある事業者を後押しし、積極的に創業支援や商業振興に取り組んでまいります。

    また、地域経済の安定化を図るため、市内中小企業の資金繰りの円滑化を図り、経営の安定化、事業展開等を促進するため、引き続き、市内金融機関の協力のもと実施している市独自の融資事業等により支援してまいります。

    これら関係団体との連携体制の強化、市内中小企業者の異業種交流や新たな事業展開、経営相談や事業継承等に対する支援を総合的に推進するため、産業創造・雇用促進課に「商工振興担当課長」を配置いたします。

    次に、市内の就職・転職支援につきましては、先に申し上げましたとおり、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所の商船部門の撤退により、引き続き地元での就職を希望される皆様の意向を伺いながら、舞鶴市就業支援センター「ジョブ・サポートまいづる」が中心となり、ハローワーク舞鶴や北京都ジョブパークなど、国や府の関係機関とこれまで以上に連携を密にし、しっかりと支援できる体制を整えてまいります。

    併せまして、定住人口の減少抑制を図るため、一度、舞鶴を離れた大学生3年生を主たる対象とした企業研究会やインターンシップ説明会を実施することにより、市内の事業所の仕事内容やその魅力を伝え、これまで以上に若年層の地元就職の強化を図ってまいります。

    次に、京都舞鶴港の振興につきましては、日本海側拠点港の計画に掲げる目標の早期実現に向け、京都府との強固な連携のもと、舞鶴国際ふ頭及び第2ふ頭を核としてヒト・モノの交流を促進し、東アジア地域における関西経済圏とのゲートウェイとして、京都舞鶴港の機能強化と利用促進に取り組んでまいります。

    外航クルーズ客船については、現在、新型コロナウイルス感染の拡大による影響が発生している状況にありますが、各クルーズ船社におかれましては、中国を訪れた経緯がある人の乗船禁止や乗組員および訪問者を対象としたスクリーニングの実施、船内の衛生管理の徹底、場合によっては日本国内への寄港を中止されるなど、感染拡大防止に係る水際対策を鋭意実施されているところであります。

    本市におきましては、このような状況の中、京都府をはじめ、検疫所等、関係機関と連携のもと受入態勢の強化を図り、安心・安全な環境を整えるとともに、日本海側のクルーズ拠点港として、今後とも多くのクルーズ客船に寄港いただけるよう、海の京都DMOと連携して「上質な寄港地観光」を提供するなど、積極的な誘致活動に努めてまいります。

    また、コンテナ貨物等の物流については、製造業の国内回帰や、インターネットによる通信販売の発達を好機と捉え、京都舞鶴港の背後地となる近隣の工業団地のニーズも踏まえながら、貨物需要の増加に即した国際ふ頭第Ⅱ期整備を促進してまいります。

    特に、念願であった国際フェリーの直行航路化については、本年第3四半期を目途に、韓国の韓昌(ハンチャン)海運によって、舞鶴、韓国東海岸の束草(ソクチョ)、ロシア沿海地方のスラビヤンカを結ぶ日韓露定期国際フェリーが新規就航する予定であり、積極的なポートセールスを通じて、人流・物流の両面から新規航路の定着化に取り組んでまいります。

    さらに、京都府が進める、京都舞鶴港の未来を描く京都舞鶴港スマート・エコ・エネルギーマスタープランとも整合を図り、LNG、メタンハイドレートなどを活用した京都舞鶴港をエネルギー拠点化する取組を促進してまいります。

    また、現在、喜多港湾用地において、民間事業者によりパーム油を燃料とする約66MWの出力を有するバイオマス発電所の計画が進められているところであります。市といたしましては、港湾振興・物流の促進により、地域経済の活性化につながり、雇用拡大が図られること、大規模停電など災害時において地域の防災拠点となること、排熱を使う新しいビジネスへの発展などのメリットがあることから立地計画を促進しておりますが、騒音や臭気など住民の生活環境に対する不安の声が数多く寄せられておりますことから、市民の皆様に、環境対策に関する正しい情報を伝えて理解を求めるとともに、市は事業者と環境保全協定を締結し、市民の皆様の生活環境が守れるよう、しっかり監視・指導を行ってまいります。

    また、市内立地企業による木質バイオマス発電施設の整備など、再生可能エネルギー利用の取り組みが展開される中において、地域エネルギー施策を統括・推進するため、生活環境課に「地域エネルギー推進担当課長」を配置いたします。

    次に、観光まちづくりの推進についてであります。

    本市が有する海軍ゆかりの歴史的資源、旧軍港四市における日本近代化の歴史ストーリーが認定された「日本遺産」や、舞鶴の海軍施設と都市計画が日本イコモス国内委員会にて選ばれた「日本の20世紀遺産20選」という2つのブランドを活かした観光プロモーションを行うとともに、これまでの肉じゃがやカレーなどの海軍ゆかりの舞鶴グルメの取り組みに加え、旧海軍料理やスイーツの復刻を行うなど、海軍の食文化のPRに努めてまいります。

    また、民間事業者が実施する観光遊覧船の運行日拡大による増便等、本市における観光素材の充実による滞在時間の延長及び観光消費額の増大を図り、観光誘客を促進するグループ観光誘致施策を展開してまいります。

    本市の観光戦略拠点である赤れんがパーク周辺一体を、赤れんが倉庫群や近代化の歴史・文化、海上自衛隊が隣接する特異性を最大限に生かし、日本海側を代表する一大交流拠点として整備することを目指す「赤れんが周辺等まちづくり事業」につきましては、防衛省の「まちづくり支援事業」を活用し、令和2年度においては、医師会館移転後の赤れんが博物館から赤れんがパーク駐車場までの海側動線の整備を中心とした園路等の設計や用地補償を実施するとともに、民間活力導入に係る条件整理を進めるなど、「赤れんが」「海・港」を一体的に感じられる整備、エリアマネジメントに向けた取組を推し進めてまいります。

    西地区における観光まちづくりの取組につきましては、平成23年から要望を続けてまいりました大河ドラマ誘致推進協議会の活動が実を結び、2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が本年1月から放送が開始されたところです。

    主人公・明智光秀の盟友である細川藤孝は、ドラマの中で重要な役柄で描かれることが期待されるところであり、ドラマの進行に合わせ細川幽斎が着目されることを踏まえ、幽斎公が築城した田辺城跡及びゆかりの地、文化人としても名を馳せたことを裏付ける古今伝授のエピソードなどのコンテンツを、西地区の城下町や吉原地区など、舞鶴ならではの見どころと絡めたプロモーションを展開し、観光客にまちなかを散策し、地域消費を促す仕組みを構築するとともに、自分たちの住むまちの歴史認識を深め、地域に対する誇りと愛着を育み、持続発展性のある取組として推し進めてまいります。

    次に、「付加価値の高い農林水産業の振興」についてであります。

    まず、「農業の振興」につきましては、万願寺甘とう、舞鶴産のお茶、佐波賀だいこんなど、地域農産物のブランド力の強化や消費者・需要者のニーズを踏まえた販売戦略・販路拡大や6次産業化に取り組むとともに、基盤整備による農地集積やスマート農業の導入など農作業の効率化・高度化を図り、魅力ある一次産業の創出・「稼げる一次産業」のビジネスモデルの形成を推し進めてまいります。

    市域の約8割を占める森林の環境保全・森林資源の活用促進は、産業、環境などの分野において、新たな価値を創造する可能性を有しているだけでなく、土砂災害の防止、安定した水源の確保など、市民生活を守る上で重要な役割を果たすものであることから、森林環境譲与税を活用し、意欲ある林業経営体への森林の集約化を図るとともに、本年4月には、市内で京都府下初となる木質バイオマス発電施設の営業運営が開始されることを踏まえ、市内森林から生じる間伐材の利用促進はもとより、新たに創設した木質バイオマス証明材取扱者登録制度を通じ、木質バイオマスの有効利用を促進してまいります。

    水産業につきましては、舞鶴に集積する多様な水産物を活かして、水産物のブランド化や消費者・需要者のニーズを踏まえた情報発信、ICTなど先端技術を活用した効率化、魚食普及を推進するとともに、生産基盤の整備など持続可能な漁業の振興と地域資源を活かした活力のある地域づくりを推進します。

    また、京都府海の民学舎の運営に参画し、漁業の担い手の育成・支援に取り組むとともに、漁村への移住定住促進に取り組みます。

    次に、「次世代に向けた社会基盤整備」についてであります。

    「国防」、「海の安全」、「エネルギーの拠点」、災害に強い「京都舞鶴港」など、高いリダンダンシー機能を備える本市の役割・機能は、強固な日本海側国土軸の形成、太平洋側のバックアップ機能の確保を図る上で非常に重要なものとなっており、将来にわたって都会と共存できる地方拠点都市を維持していくためには、全国の主要都市と京都府北部地域を結ぶ山陰新幹線の誘致が必要不可欠であると考えております。

    山陰新幹線の整備計画路線への格上げを求める活動は、島根・鳥取両県、京都府などで構成する「山陰新幹線建設促進期成同盟会」において展開されるなど、京都府北部5市2町で構成する「山陰新幹線京都府北部ルート誘致等同盟会」による山陰新幹線早期整備実現に向けた動きは点から線に、線から面へと大きく広がっているものと認識しているところであり、今後とも、京都府や、山陰地方の自治体等との連携を一層強化する中で、「山陰新幹線の整備計画化」と「山陰新幹線京都府北部ルートの誘致」の実現を目指し、積極的に国への働きかけ等を行ってまいる所存であります。

    また、京都縦貫自動車道につきましては、4車線化や多様な道路サービスの導入など、利用しやすい道路構築を目指し、京都府道路公社から西日本高速道路株式会社への運営移管の協議が進められております。

    高速道路の暫定2車線区間の4車線化は、防災機能の強化はもとより、利便性の向上等による観光や流通など、地域の活性化に大きく貢献すると期待できるものであることから、引き続き、市議会・商工会議所の皆様と国・京都府・関係機関等への要望を実施するなど、舞鶴西ICから舞鶴東IC間をはじめ、舞鶴若狭自動車道及び京都縦貫自動車道の全線4車線化に向け、積極的に取り組んでまいります。

    次に「地域間の連携と交流を支える道路整備」についてであります。

    まず、国道・府道につきましては、本市の重点事業であります「国道27号西舞鶴道路」の用地買収は面積ベースで74%が完了し、また、境谷、今田、京田地区では工事が実施されております。

    市といたしましては、事業の推進に連携して取り組んでおり、国に対して切れ目なく事業が進捗して一日も早く完成いただくようお願いしているところであります。

    また、港と連結する臨港道路上安久線の整備は、現在、調査・測量等が実施されており、事業の推進に国と連携を図りながら積極的に取り組んでまいります。

    次に「府道小倉西舞鶴線」についてでありますが、この道路は東西市街地を最短距離で結び、活力あるまちづくりに不可欠な道路であります。白鳥トンネル工区の4車線化は、東西市街地の一体化に重要な工区であり、約67%の用地取得を完了し、新トンネルの掘削に向けた調整に入ったところであります。倉谷工区の4車線化とともに、引き続き京都府と連携しながら事業の推進に取り組んでまいります。

    次に、市道につきましては、円滑な交通の確保と地域づくりの促進、また、定住環境の形成や防災機能の向上等を目的に、国道27号西舞鶴道路や府道小倉西舞鶴線等の国道や府道を補完する幹線道路の「引土境谷線」や「和泉通線」等の事業進捗を図るとともに、円滑な交通の確保と地域づくりの促進、また、定住環境の形成や防災機能の向上等を目的とした道路整備はもとより、生活基盤を円滑に支える安全で安心な道路整備、並びに、長寿命化修繕計画等に基づく道路施設の健全な維持管理を推進してまいります。

    3つの柱と目指すべき将来のまちの姿を実現するための「市政運営の基本姿勢」

    最後に、「心豊かに暮らせるまちづくり」「安心のまちづくり」「活力あるまちづくり」の3つのまちづくり戦略の柱に基づく施策を確実に推進するための行財政改革等の取組についてであります。

    行財政改革につきましては、私が市長に就任して以来、スピード感のある効果的、効率的な行政運営と、創意工夫を凝らし、最少の経費で最大の効果を発揮させる財政運営を目指し、「財源」「施設」「人財」など、さまざまな分野において計画的に推進してまいりました。債権管理や受益者負担の適正化をはじめ、公共施設マネジメント、人事評価制度の導入、総人件費の抑制、財政規律に基づく予算編成など、多くの取り組みに概ね目途が立ったところであり、持続可能な行政運営の土台を築くことができたものと考えております。

    今後、人口減少や少子高齢化をはじめ、市税収入の減少、社会保障費の増大など、本市を取り巻く環境は厳しさを増すことが予想されるところであり、市におきましては、まちづくりを下支えする役割を果たす「舞鶴市役所」が、将来にわたって機動的で効率的な組織として運営できるよう、行財政改革を次のステージへ進めるため、「今、私たち行政ができること、すべきこと」を全庁一丸となり考え、実行していくためのアクションプランとして『持続可能な市役所運営推進プラン』を今年度末までに策定することとしているところであります。

    本プランでは、これまでの行財政改革の取り組みを踏まえ、与えられた人・時間・予算を、真に必要な行政サービスへと重点化しながら、ICT技術の活用等により、事務の省力化、効率化を最大限進め、これら限られた資源(リソース)の最適化を図っていくことにより、次世代のために持続可能な行財政運営をさらに前進していくものであり、組織力・チーム力の向上を図りながら、各種団体や民間企業との多様な連携や先進技術の導入による業務の見直しにより、職員が能力を最大限発揮できる市役所づくりに取り組んでいくこととしているものであります。次に、「人財」につきましては、更なる職員の能力開発により、市役所の組織力を高め、市民サービスの向上に繋げるため、平成28年度から管理職を対象に、平成30年度からは係長級を加え実施している「人事評価制度」を、今後、全職員を対象として導入を進めてまいりたいと考えております。

    また、「任期付職員」、「再任用職員」、さらに令和2年度から法改正により新たな会計年度任用職員制度において任用する「業務支援職員」など、多様な任用制度の更なる活用を進め、最適な勤務形態の人員構成により、効果的、効率的な組織運営を図り、市民の皆様の期待に応えてまいります。

    また、私は、市役所は、子育て、教育、福祉など、市民生活に密着した様々なサービスを提供していることから、女性の多様な価値観や生活者目線を取り入れた政策立案が重要であると考え、市長就任以来、「女性の活躍推進」に積極的に取り組んでまいりました。

    市では、女性活躍の推進モデル事業所として、市内事業所の先頭に立ち、「女性活躍推進法による特定事業主行動計画」に基づき、私が市長に就任した平成23年度に、管理職で8.8%、係長級で18.5%であった女性職員の割合を、令和2年度には、管理職で20.2%、係長級で30.7%にまで、引き上げる予定であります。

    また、子どもが生まれた男性職員の1か月以上の育児に伴う休暇や休業の取得など、新たな目標を盛り込んだ特定事業主行動計画を本年4月からスタートすることにより、女性が一層働きやすく、活躍できる職場環境の創出に努めてまいりたいと考えております。

    また、市職員の人件費につきましては、業務支援職員等の採用と、正職員の計画的な削減に努めているところであり、私が市長に就任した平成23年度に正職員数879名であったものが、令和2年度は797名と、82名の減、9.3%減の見込みとなるなど、総人件費の抑制に取り組んできたところであります。

    そのような中、本市正職員の給料は、国家公務員の給料との比較を示すラスパイレス指数が、国家公務員を上回ることから、地方交付税の算定に影響を及ぼすことが懸念されるため、平成30年度から2か年にわたり、管理職の給料を3%減額したところであり、本市のラスパイレス指数は、一定改善されたところであります。

    この間、取り組んできた、級別定員管理の徹底などの効果が十分に現れるまでには、あと1か年を要する見込みであることから、苦渋の決断ではありますが、令和2年度においても、管理職給料の3%減額を継続することとし、特別職の給料についても同様に取り扱ってまいります。

    最後に、広域連携によるまちづくりについてであります。

    今後、現在の人口構成上、一定の人口減少が避けられない中で、全ての自治体が単独で全ての行政サービスを提供する「フルセット行政」の維持は困難であり、20から30万人程度で構成する圏域が連携し、資源の効果的な活用を図ることで、持続可能な行政運営を行っていくことが必要であると考えております。

    このような中、京都府北部5市2町では、これまで「京都府北部地域連携都市圏ビジョン」に基づき、各市町の強みを生かし、海の京都DMOによる広域観光の推進や、合同就職説明会、ビジネスマッチングなど、多様な分野で連携と役割分担を行いながら事業を展開してきたところであります。

    今後、圏域全体で水道事業の窓口業務の共同発注や電力共同入札、京都府中部地区を含めた消防指令業務の共同運用をはじめ、公共交通、教育、医療など多様な分野でさらなる連携強化を図りながら圏域全体の活性化を目指す「水平型の広域連携」を推進してまいります。

    こうした北部地域の連携をさらに深化させるため、平成30年度の「京丹後市」、平成31年度の「福知山市」との人事交流に続き、令和2年度においては、「福知山市」と「宮津市」との人事交流を実施し、京都府北部5市2町のさらなる情報の共有や事業の推進に取り組んでまいります。

    社会環境が大きく変化する中、これまでの社会で構築した仕組みでは対応できない課題が発生する一方、技術革新により、これまで出来なかったことが容易に対応することが可能な時代を迎えました。

    私は、このような時代を迎えた今こそ、行政運営の基本に立ち返り、現地・現場主義のさらなる徹底を図り、地域の声をしっかりと伺う中で、市民の幸せ、満足度を高めるにはどうしたらいいのか、行政が本当にすべきことは何なのかということを建設的に考え、様々な施策を今一度見つめ直し、持続可能な行政運営のあり方を地域の皆さんと共有する中で、元気な市民や団体、事業所の活動を積極的に後押しし、本当に困った人に手を差し伸べることができるまちづくりを実現することが重要であると考えております。

    今後とも、「心が通う便利な田舎暮らし」の未来像をしっかりと示し、多様な連携の輪を広げ、それぞれの役割を明確にする中で、持続可能なまちづくりを推し進めてまいる所存でありますので、市議会をはじめ、市民の皆様におかれましては、引き続きお力添えを賜りますようお願い申し上げます。


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