○舞鶴市特殊災害消防活動規程

平成14年7月1日

消本訓令甲第2号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 現場指揮所(第3条―第5条)

第3章 出動(第6条―第8条)

第4章 災害現場活動(第9条―第12条)

第5章 原因調査(第13条)

第6章 関係機関との相互協力(第14条・第15条)

第7章 雑則(第16条―第19条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この規程は、舞鶴市警防活動規程(昭和61年消防本部訓令甲第2号。以下「警防活動規程」という。)第2条第5号に定めるほか、大規模な被害をもたらす放射性物質による災害、生物剤若しくは化学剤(以下「BC剤」という。)による災害又は有毒ガス若しくは毒劇物(以下「危険物質等」という。)による災害(以下「特殊災害」という。)が発生し、若しくは発生するおそれがあり、又はその被害の拡大が予想される場合における消防機関の警防活動について定めることにより、特殊災害対応資機材を活用し、人命救助と被害の軽減に努め、もって住民の安心・安全を確保することを目的とする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(対象事故等)

第2条 この規程の対象となる事故等の種別は、次に掲げるとおりとする。

(1) 放射性物質の漏えい、流出又は飛散による事故

(2) BC剤の漏えい、流出又は飛散による事故

(3) 危険物質等の漏えい、流出若しくは飛散又はこれらの火災、爆発等による事故

(4) 前3号の事故が発生したと予測される事象、若しくは発生するおそれがある事象、又は発生した時にその被害の拡大が予想される事象

(平30消本訓令甲4・一部改正)

第2章 現場指揮所

(現場指揮所の設置)

第3条 特殊災害発生時における現場指揮所(以下「指揮所」という。)は、警防活動規程第18条第1項の規定に基づき設置するものとする。

2 他の関係機関が指揮本部を開設した場合には、当該関係機関と協議の上、合同指揮所を設置する。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(指揮所の設置場所)

第4条 指揮所の設置については、次に掲げる事項に留意するものとする。

(1) 現場全体が把握でき、かつ、各部隊の集結が容易な場所であること。

(2) 応急救護所との連絡が容易な場所であること。

(3) 二次災害が発生する危険のない場所であること。

(4) 通信障害のない場所であること。

(5) 関係機関との連絡及び情報交換が容易な場所であること。

(6) ウォームゾーンとコールドゾーンの境界が明確にされるまでの間については、進入統制ラインより安全側の場所であること。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(指揮所の編成)

第5条 指揮所の編成は、警防活動規程第17条の規定に基づき最高指揮者を定めるとともに、警防活動規程第19条の規定に基づき別表第1のとおり活動区分に応じた担当指揮者を定めることができる。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

第3章 出動

(出動部隊の編成と出動区分)

第6条 特殊災害に係る出動部隊は、警防活動規程第3条の規定に基づき編成し、警防活動規程別表に定める特殊災害出動により出動するものとする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(出動部隊の任務)

第7条 出動部隊は、必要な資機材を出動車両に積載して出動するとともに、消防隊等の警防活動基準(昭和63年消防本部訓令乙第2号。以下「警防活動基準」という。)に定めるところにより活動することを任務とする。

(出動の事前準備)

第8条 初期の通報により特殊災害であると判断した場合、若しくは関係する付加情報を得た場合、又は先着小隊が特殊災害であると判断した場合は、別表第2に掲げる資機材を配置されている部隊にあっては積載して、又は積載を確認して出動するものとする。

2 出動車両外部の装備品は極力内部装備とし、窓を閉める等車内への外気流入防止措置を行うものとする。

3 多数の負傷者が予想される場合は、応急救護所設置用エアーテント、医療資機材、搬送用担架等の増強を行うとともに、負傷者被覆用毛布、保護服、防毒マスク、ゴーグル、ディスポグローブ等を準備して救護する隊員の二次汚染防止措置を講ずるものとする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

第4章 災害現場活動

(活動の原則)

第9条 現場活動においては負傷者の救命・救助活動を最重点とし、警察、医療施設その他関係機関との連絡を密にするとともに、放射性物質との遮へい及び屋内退避、BC剤又は危険物質等の排除、中和及び除染等適切な活動に努め、人命被害の拡大防止を図ることを原則とする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(活動要領)

第10条 特殊災害の現場における活動要領は、警防活動基準第6章及び第8章に定めるとおりとする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(進入統制ライン、警戒区域及び危険区域の設定)

第11条 第2条各号に掲げる事案が発生した場合は、指揮所の最高指揮者は、物質の性質を考慮して、別表第3の基準により進入統制ライン、火災警戒区域又は消防警戒区域並びにウォームゾーン及びホットゾーンを設定しなければならない。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(活動範囲)

第12条 出動各部隊の装備別活動範囲については、別表第4の指定に基づき活動するものとする。

第5章 原因調査

(原因調査及び現場保存)

第13条 治安、公安事件等として関連がある場合は、消防活動に係る破壊、除染、移動等は必要最小限として現場保存に努めるとともに、現場警察責任者と密接な連携の下、必要事項のみ調査して速やかに警察官に現場の引渡しを行うものとする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

第6章 関係機関との相互協力

(応援要請)

第14条 消防長は、特殊災害の様態から現有の消防力では対応できないと認めた場合は、舞鶴市、福知山市、綾部市、宮津市消防相互応援協定(昭和49年協定締結)、舞鶴海上保安部との業務協定(昭和43年協定締結)、京都府広域消防応援協定(平成元年協定締結)、鳥取市との災害時の相互応援協定(平成9年協定締結)、若狭消防との消防相互応援協定(平成13年協定締結)及び舞鶴医師会との災害時等における医療救護活動に関する協定(平成13年協定締結)に基づき応援要請を行うものとする。

2 消防長は、前項の他に災害状況に応じて関係機関を通じ、緊急消防援助隊出動計画に基づく援助隊の出動要請並びに自衛隊の現場派遣要請及び有識者の現場派遣要請を行うものとする。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(関係機関との協力)

第15条 消防長は、この訓令の運用に遺漏のないよう警察署、保健所、医療施設、医師会、緊急災害医療チーム(DMAT)、自衛隊その他関係機関と常に密接な連携を保たなければならない。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

第7章 雑則

(訓練計画)

第16条 所属長は、この訓令の円滑な運用を図るために関係機関等の協力を得て、大規模な特殊災害の発生を想定した総合訓練を随時行うとともに、定期的に各隊員の教養を行わなければならない。

(平30消本訓令甲4・一部改正)

(資機材の点検及び維持管理)

第17条 所属長は、資機材の定期点検及び総合点検を行い、適正な維持管理に努めなければならない。

(平30消本訓令甲4・追加)

(特例)

第18条 消防長は、特殊災害の状況により特に必要があるときは、この訓令の全部又は一部を適用しないことができる。

(平30消本訓令甲4・旧第17条繰下・一部改正)

(その他)

第19条 この訓令の施行に関し、必要な事項は別に定める。

(平30消本訓令甲4・旧第18条繰下)

(施行期日)

1 この訓令は、平成14年7月1日から施行する。

(舞鶴市警防活動規程の一部改正)

2 舞鶴市警防活動規程(昭和61年消防本部訓令甲第2号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成30年4月18日消本訓令甲第4号)

この訓令は、平成30年5月1日から施行する。

別表第1(第5条関係)

(平30消本訓令甲4・全改)

指揮所の編成

画像

別表第2(第8条関係)

(平30消本訓令甲4・全改)

特殊災害対応資機材

主要資機材

資機材名

呼吸保護器具

空気呼吸器、空気ボンベ、防毒マスク(吸収缶・フィルターを含む。)及びディスポマスク

身体保護器具

陽圧式化学防護服、化学防護服、防毒衣、原子力災害対策用保護服、ディスポグローブ及びゴーグル

測定器具

有毒ガス検知器、可燃性・酸欠ガス測定器、生物剤・化学剤検知紙及びポケット線量計等放射線量測定器

その他資機材

除染シャワーセット、中和剤及び中和剤散布器、送排風機、警戒区域等設定テープ、広報用拡声器、イエローカード等

別表第3(第11条関係)

(平30消本訓令甲4・全改)

特殊災害発生時における危険区域等の設定基準

◎進入統制ラインの設定

○活動隊員の安全を確保するとともに、ばく露者(曝露の疑いがある者を含む。)の退出を規制し、二次曝露(曝露者が媒体となった被害の拡大)を防止するライン

・危険がない場所(異常がある場所から風上に目安として120m以上離れた場所)に設定

・ウォームゾーンとコールドゾーンの境界が明確にされるまでの間、危険側への出入りを統制

・必要に応じ適宜変更

◎警戒区域の設定

○火災警戒区域

・消防法(昭和23年法律第186号)第23条の2第1項に規定する火災警戒区域

○消防警戒区域

・消防法第28条第1項に規定する消防警戒区域

◎ウォームゾーンの設定

○最高指揮者が必要と認める危険区域

・関係者が退避勧告した区域

・災害実態から判断して汚染のおそれがあると予測される区域

・品名及び物性が不明な場合であって、臭気、刺激臭又は有色ガスを確認した区域

・放射性物質、BC剤又は危険物質等の有無が不明であっても、現場の状況によりこれらが存在している危険性が高い区域

◎ホットゾーンの設定

○放射性物質、BC剤又は危険物質等による危険区域

・放射線量又は毒性ガス濃度が人体の許容範囲を超える区域

・放射性物質、BC剤又は危険物質等の漏えい、流出又は飛散の濃度の高い区域

・放射性物質、BC剤又は危険物質等の所在が確認された区域

・体調に何らかの異常が現れた区域

危険区域と警戒区域の設定イメージ図

画像

別表第4(第12条関係)

(平30消本訓令甲4・全改)

特殊災害発生時における装備別活動範囲の指定

装備

危険度

区域設定

ホットゾーン

ウォームゾーン

火災警戒区域又は消防警戒区域

陽圧式化学防護服、空気呼吸器及びポケット線量計等放射線量測定器

レベルA

活動区域

・物質名が不明な区域

・物質の濃度が不明な区域

・原因物質付近である区域

・化学剤が噴出する区域

・放射性物質の存在する区域

化学防護服又は防毒衣、空気呼吸器及びポケット線量計等放射線量測定器

レベルB

活動区域

・皮膚からの吸収のない物質の存在する区域

・直接物質の飛散を受ける危険性のない区域

・放射性物質の影響を受けない区域

×

原子力災害対策用保護服、防毒マスク及びポケット線量計等放射線量測定器

レベルC

活動区域

・皮膚からの吸収のない物質の存在する区域

・直接物質の飛散を受ける危険性のない区域

・吸収缶で除去可能な物質の存在する区域

・化学物質が危険濃度以下の区域

・空気中の酸素が必要濃度以上の区域

×

×

防火服、救急服又は作業服、ディスポグローブ、ディスポマスク及びポケット線量計等放射線量測定器

レベルD

活動区域

・皮膚及び呼吸に対する危険性のない区域

・土壌が汚染されていない区域

×

×

舞鶴市特殊災害消防活動規程

平成14年7月1日 消防本部訓令甲第2号

(平成30年5月1日施行)