○舞鶴市言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する条例

平成30年6月29日

条例第32号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 言語としての手話の普及(第7条)

第3章 障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進(第8条―第13条)

第4章 施策の実施状況に係る点検及び評価(第14条)

附則

全ての市民が、障害の有無にかかわらず、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加し、心豊かに暮らすためには、お互いの意思や感情を伝え合うコミュニケーション手段の確保が極めて大切である。

舞鶴市では、戦後間もなく聴覚障害者や視覚障害者による団体が結成され、教育の機会を獲得するための活動等を行い、昭和27年に聴覚障害児と視覚障害児のための京都府立ろう学校舞鶴分校・盲学校舞鶴分校が開校した。一方、市としては、手話通訳ができる職員を市役所に配置したほか、昭和57年に舞鶴市身体障害者福祉センターを開設するなど、手話の普及、手話通訳者や要約筆記者の養成・派遣、点字や音訳による情報提供など障害者のコミュニケーション手段の確保にボランティア団体などと協働して取り組んできた。

手話は、音声ではなく、手や指、体などの動きや顔の表情を使う独自の語彙や文法を有する言語として、聴覚障害者により意思疎通を図るための手段として育まれてきた文化的所産であり、その認識が広く共有されなければならない。

また、障害には、聴覚障害、視覚障害、発達障害などの多様な障害があり、これらの障害のある者が相互に、あるいは、障害のない者と円滑な意思疎通を図るために、手話、要約筆記、点字、音訳、平易な表現など障害の特性に応じたコミュニケ―ション手段を利用することが求められている。

このような中、平成18年に国際連合で採択された障害者の権利に関する条約及び同条約を批准するために平成23年に改正された障害者基本法において、手話が言語であると位置付けられるとともに、障害者についてコミュニケーション手段の選択の機会が確保されることが必要である旨が定められた。

しかしながら、手話が言語であるという認識が十分に共有されているとは言い難く、また、障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用できる環境の整備には今なお課題があり、日常生活又は社会生活において、不便や不安を感じている障害者も少なくない。

こうした状況に鑑み、舞鶴市は、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより、全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく、自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関し、基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、市の施策を推進するための基本的な事項を定めることにより、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図り、もって障害の有無にかかわらず、全ての市民が相互に人格と個性を尊重し合い、安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 障害 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害をいう。

(2) 障害者 障害のある者であって、障害及び障害者基本法(昭和45年法律第84号)第2条第2号に規定する社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

(3) 障害の特性に応じたコミュニケーション手段 手話、要約筆記、点字、音訳、代筆、代読、触手話、平易な表現その他の障害者が日常生活及び社会生活において必要とする意思疎通の手段をいう。

(4) 市民 市内に居住し、通学し、又は通勤する者をいう。

(5) 事業者 市内において事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。

(6) コミュニケーション支援者 手話通訳者、要約筆記者、点訳者、音訳者その他の障害者の意思疎通の支援を行う者をいう。

(基本理念)

第3条 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進は、全ての市民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合うことが重要であるとの認識の下に行われなければならない。

2 言語としての手話の普及は、手話が独自の体系を有する言語であって、手話を使い日常生活及び社会生活を営む者が受け継いできた文化的所産であるとの認識の下に行われなければならない。

3 障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進は、全ての市民が障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用することの重要性を認めるとともに、その選択の機会の確保及び利用の機会の拡大が図られることが必要であるとの認識の下に行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、前項の規定による施策の策定及び実施に当たっては、関係機関と連携を図り、市民及び事業者と協働して取り組まなければならない。

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念に対する理解を深め、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する市の施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、基本理念に対する理解を深め、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する市の施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用により、障害者が利用しやすいサービスを提供し、及び障害者が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。

第2章 言語としての手話の普及

第7条 市は、市民が言語としての手話に対する理解を深めることができるよう、関係機関と協力し、言語としての手話に関する啓発を行うものとする。

2 市は、手話により日常生活及び社会生活を営む障害者に対して、手話による対応をすることができるよう、手話通訳ができる職員の配置に努めるものとする。

第3章 障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進

(環境の整備)

第8条 市は、コミュニケーション支援者の派遣、障害者からの相談に応じる拠点の支援等を行うことにより、障害者が障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用し、及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段により情報を取得しやすい環境を整備するよう努めるものとする。

(啓発及び学習の機会の提供)

第9条 市は、市民が障害の特性に応じたコミュニケーション手段に対する理解を深めることができるよう、関係機関と協力し、障害の特性に応じたコミュニケーション手段に関する啓発を行うとともに、その学習の機会を提供するよう努めるものとする。

(情報の発信等)

第10条 市は、障害者が市政に関する情報を円滑に取得することができるよう、障害の特性に応じたコミュニケーション手段を利用して情報を発信するよう努めるものとする。

2 市は、災害その他非常の事態の場合に、障害者が障害の特性に応じたコミュニケーション手段により必要な情報を円滑に取得することができるよう、関係機関と連携し、必要な体制の整備に努めるものとする。

(コミュニケーション支援者の養成等)

第11条 市は、コミュニケーション支援者が確保されるよう、関係機関と協力し、コミュニケーション支援者の養成その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(事業者に対する支援)

第12条 市は、事業者が行う障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する活動について、事業者に対し、必要な情報の提供その他の支援を行うよう努めるものとする。

(職員に対する研修)

第13条 市は、職員に対し、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する研修を行うものとする。

第4章 施策の実施状況に係る点検及び評価

第14条 市長は、言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進に関する施策の実施状況について、舞鶴市障害者施策推進協議会条例(昭和56年条例第15号)の規定による舞鶴市障害者施策推進協議会の点検及び評価を受けるものとする。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

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平成30年6月29日 条例第32号

(平成30年6月29日施行)