乳幼児期の学びの特徴
0歳児から就学前の乳幼児期は、人格形成の基礎が培われる最も重要な時期であり、遊具や教材などの物的環境や、保護者や保育士・友だち等の人的環境、さらには自然や地域といった環境を通した豊かな遊びや生活の中で、小学校以降の学びや育ちの土台となる、好奇心や探求心、思考力、がんばる力や自己主張・自己統制力等、認知的スキルや社会情動的スキル(学びに向かう力)を身につけていきます。
年齢ごとの育ちの視点
子どもの発達には個人差があります。年齢の表記は基準ではなくめやすであり、内容は一定の方向を示すものです。
0歳頃~人として生きていく土台づくり~
「おなかがすいた」「うれしい」「かかわってほしい」、という思いを相手に伝えようと自分の意思で、泣いたり、笑ったり、声を出したりする時期です。
周囲の大人は、その思いに応答的に関わり、だっこ等のスキンシップを通じて愛着を形成し、安心できる環境の中で眠り、食べ、遊ぶという心地よい生活リズムを大切にします。
6ヶ月から2歳頃~主体的に生きていく土台づくり~
6ヶ月~1歳半・・・座る、這う、立つ、歩くといった運動機能が発達する時期です。周りのものや人への興味や関心が広がり、自ら「さわってみたい」「関わりたい」という意欲が芽生え、探索活動が活発になり、好奇心旺盛な時期です。
1歳半~2歳頃・・・なんでも「イヤイヤ」「自分で」という自我の芽生えの時期です。
できないからといって止めるよりも、子どもの意思を尊重し、見守りながら、困った時には戻れる安心できる居場所(人)となることが大切です。
2歳から3歳頃
自我の芽生えから、「自分でやりたい」「聞いてほしい」「見てほしい」と、自己を主張する時期でもあり、なんでもやってみたい最も意欲的な時期です。それぞれが、自分の好きな遊びを見つけ、集中して遊んでいるが、友だちの遊びは意識している時期です。
子どもの意欲や主体性を尊重し、自分で選ぶ、決める、自分の思いを伝えるという経験をすることが大切です。また、言葉を獲得し、語彙を増やしていくこの時期には、周囲の大人が子どもの思いや感動したことを言葉で表現し、子どもとの応答的なやりとりをすることが必要です。
3歳から4歳頃~仲間と共に生きていく土台づくり~
今までの大人との密着した関係から、自分とは違う他者(友だち)に関心が向くようになり、「友だちと同じことがしたい」という気持ちが芽生える時期です。
友だちとイメージを広げながら、ごっこ遊びを楽しみ、身近な自然(水、土、砂、草花、虫など)に関わりながら、遊ぶことが大切です。
4歳から5歳頃
基本的な生活習慣も身につき、今までの経験を生かして、自分なりに考えたり、創意工夫したりする思考力が育つ時期です。
仲の良い友だちとの関係の仲で、自分の思いを話したり、相手の思いを聞いたり、折り合いをつけたりする経験が大切です。友だちとイメージを共有しながら、想像力を広げる遊びが大切です。一人ひとりの個性を認め、見守るように関わることが必要です。
就学前にはひとつの目的に向かって、集団の仲で友だちと話し合い、協力し合う、協同的に取り組む体験が大切です。