あしあと
「新修・舞鶴市史」の編さん事業の一環として、舞鶴市内に残る多くの古文書や資料群の悉皆調査に取り組んでいるところです。調査に当たっては、学術機関や関係団体と連携を図りながら実施しており、本書は、京都府立大学のご協力をいただき作成したものです。
本書でとりあげた木船衛門家は江戸時代田辺藩の祖母谷組大庄屋であり、江戸時代から近代にわたる多くの古文書が保存され、継承されてきました。ひとつの古文書群の概要を把握するためには、まず古文書の目録(リスト)を作成することが必要であり、歴史研究はここからはじまります。
木船衛門家文書の一部は、令和 6 年に京都府立大学から「舞鶴木船衛門家文書調査報告」(京都府立大学文化遺産叢書第 30 集)として刊行されており、本書「木船衛門家文書調査報告1」(舞鶴市歴史資料目録第1集)は、内容的にはその続編となるものです。
本市では、毎年、「舞鶴市歴史資料目録」の発刊を継続する予定です。今後におきましても、資料調査を継続的に実施し、「新修・舞鶴市史」の礎になるだけでなく、多くの市民や歴史研究者に有効に活用されることを願います。

編 集 東 昇(京都府立大学文学部歴史学科 教授)
発 行 舞鶴市(生涯学習部文化振興課)
発行日 2025年7月31日
(報告書内容)
例言
目次
1.木船衛門家文書調査報告
木船衛門家文書解題(箱1~ 11) (東 昇)
文化 10 年諸事御用向覚帳にみる木船藤右衛門の庄屋業務(上武 恒介)
近世後期祖保谷組における囲蔵の成立と運用(渡部 凌空)
文政期、大庄屋からみる田辺藩札所の貸付(山蔭 晴人)
木船家の伊勢参詣記録 ―餞別・酒迎え・土産の継承と変化― (東 昇)
幕末の婚礼の風景 ―安政元年祝儀諸事附留帳より― (上井 壱雄)
丹波・丹後地域の蚕糸業教育機関 (正瑞 千幸)
木船衛門家文書からみる明治期の博覧会 ―第4回内国勧業博覧会・平安遷都 1100 年紀念祭を中心に― (渡邊 幸奈)
2.木船衛門家文書目録 (京都府立大学文化情報学研究室・舞鶴地方史研究会)
3.木船衛門家文書史料翻刻 (京都府立大学文化情報学研究室・舞鶴地方史研究会)
舞鶴市歴史資料目録第1集 木船衛門家文書調査報告1

なお、京都府立大学では、これまでの文化遺産叢書のページで、舞鶴関連のPDFも公開されていますので、ぜひご活用ください。
第11集『舞鶴地域の文化遺産と活用』(2016)
第12集『「丹後の海」の歴史と文化』(2017)
第14集『舞鶴・京丹後地域の文化遺産』(2018)
第16集『舞鶴の地域連携と世代間交流 井上奥本家文書調査報告』(2019)
第30集『舞鶴木船衛門家文書調査報告 京都府北部MALUI連携事業』(2024)