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    令和8年度施政方針(2月24日)

    • [2026年7月6日]
    • ID:15282

    「未来に希望がもてる活力あるまち」の実現に向けて

    令和8年度一般会計予算及び令和7年度一般会計補正予算をはじめとする34件の議案の説明と併せ、令和8年度の市政方針を申し述べさせていただきます。

    令和8年度は、舞鶴市のまちづくりの指針である「第7次舞鶴市総合計画」の最終年度となります。

    極めて重要な節目の年を迎えるにあたり、私たちはこれまで、「未来に希望がもてる活力あるまち・舞鶴」の実現に向け、種を蒔き、水をやり、大切に育ててまいりました。今、その蕾が大きく花開こうとしています。

    昨年は戦後80年、海外引揚80年、そして市にとってはユネスコ世界記憶遺産登録10周年という歴史的な節目の年でありました。

    この重要な年の2月には、秋篠宮悠仁(ひさひと)親王殿下に引揚記念館等をご訪問いただく栄誉を賜り、殿下からは「当時の人々の思い、当時の状況をしっかりと深く受け止め、次の世代に語り継いでいくことの重要性を感じました」とのお言葉をいただきました。

    このお言葉は、私たち舞鶴市民にとって、史実継承の取組への大きな励みとなりました。 

    その後、3月の「平和未来フォーラム」を皮切りに、若者が主体となって平和を考えるワークショップ、引揚をテーマとした朗読劇、さらには「大阪・関西万博」への出展など、私たちは「次世代への継承」から、若者自らが主体となって語り継ぐ「次世代による継承」へと、平和事業を大きく進化させてまいりました。 

    その集大成として10月に開催した「平和祈念式典」では、都倉俊一(とくら しゅんいち)文化庁長官、西脇隆俊京都府知事をはじめ国内外からご来賓をお迎えし、盛大に挙行いたしました。

    特筆すべきは、第2部の市民音楽劇「海のその先」であります。

    様々な年代の舞鶴市民を中心とした約100名の出演者が、抑留者やその家族、引揚者を温かく迎えた先人たちの思いを熱演されました。

    総合文化会館の大ホール約1,400席を埋め尽くす観客の皆様と共に涙し、感動を分かち合ったあの光景は、まさに世代を超えた共感が生まれ、平和への誓いが次世代へと確実に引き継がれた瞬間でありました。

    また、「海外引揚」が繋ぐ中央アジアとの結びつきは、さらに深くなっており、人材育成交流を中心に取り組んでいるウズベキスタン共和国とは、昨年12月に開催された「中央アジア+(プラス)日本」ビジネスフォーラムに合わせたシャフカット・ミルジヨーエフ大統領の来日を機に、リシタン地区との姉妹都市提携を視野に入れた対話が進んでおります。

    さらに、昨年8月には、私自身が代表団としてキルギス共和国を訪問いたしました。

    日本人抑留の史実が残るタムガ村において、抑留と引揚に関する新たな史実の掘り起こしについて継続的な協力関係を確認するとともに、タムガ村を管轄するバルイクチ市やキルギス政府スポーツ庁と覚書を取り交わし、歴史文化遺産の保存活用やスポーツ・観光といった幅広い分野での交流に道を開くことができました。

    令和8年度は、この成果をレガシーとして、戦後90年、100年に向け、「平和な未来に向けた新たなステージ」への第一歩を力強く踏み出します。

    具体的には、舞鶴引揚記念館を中心に活動する「学生語り部」によるウズベキスタン・キルギス両国への訪問を実施し、「次世代による継承」をテーマにした深い学びの交流に取り組んでまいります。

    こうした歴史的資源を活かした取組をさらに発展させるため、生涯学習部に「文化・国際課」と「歴史文化まちづくり課」を新設するとともに、「舞鶴引揚記念館」を同部に編入いたします。

    引揚の史実をはじめとする舞鶴市の多様な歴史文化を、世界に誇る地域特有の文化として継承し、国際交流やまちづくりへと積極的に活かしてまいります。

    また、一昨年から舞鶴で公演され、大きな反響を呼んだ朗読劇「READING WORLD」がいよいよ本年9月、東京で開催される運びとなりました。

    文化芸術の力により、シベリア抑留と引揚の史実を首都圏から全国へ広げるとともに、公演をきっかけに実際に舞鶴へ訪れていただく流れをより確実なものにしてまいります。

    豊かな未来を支える基盤は、力強い地域経済にあります。

    大規模な投資を伴う企業誘致の実現は、新たな雇用の創出に加え、地域経済の活性化や若者の希望へとつながり、地域全体に好循環を生み出す最重要施策であるとの認識のもと、私は自ら先頭に立ち、これまで豊かな地下水や安定した電力供給、災害に強い京都舞鶴港など、舞鶴市独自の強みを最大限に活かしたトップセールスに邁進してまいりました。 

    一昨年に誘致を実現いたしました、アイリスオーヤマ株式会社の飲料水製造工場については、舞鶴市にとって実に17年ぶりとなる大型製造業の誘致でした。

    令和9年度の操業開始に向け、現在、建設工事が順調に進捗するとともに、舞鶴市内での新規採用も開始されるなど、地域に確かな活力が創出されていることを実感しているところであります。 

    また、去る1月29日には、株式会社ユビタスの平工業団地への「生成AI向けデータセンター」の立地が決定いたしました。

    平工業団地の同区画への企業誘致は実に35年ぶりとなります。

    最先端技術を支えるデータセンターの立地は、新たな地域産業の創出やIT人材の育成に寄与するのみならず、市内産業全体のDXを加速させ、舞鶴市の産業競争力を飛躍的に高めるものと大きな期待を寄せております。

    そして、これらの企業の進出に不可欠な産業基盤のさらなる拡充のため、令和8年度からは新たな産業用地の確保等に向けた可能性調査にも積極的に取り組んでまいる所存であります。 

    さらに、国の成長戦略17分野に位置付けられた舞鶴市の基幹産業である造船業では、ジャパンマリンユナイテッド舞鶴事業所が、その高度な技術力を背景に、昨年12月に米海軍艦船、本年1月からは、洋上風力発電建設に不可欠な世界最大級のSEP船「BLUE WIND(ブルーウインド)」の修繕業務を受注されました。

    これらは、安全保障・エネルギー政策の両面において「港湾都市・舞鶴」が極めて重要な役割を担っている証であり、関連産業を含めた裾野の広い経済効果を期待しているところであります。

    現在、政府においては、関係閣僚と有識者で構成する「日本成長戦略会議」を設置し、「強い経済」を実現するための成長戦略を強力に推進していくとしています。

    その中では、17の戦略分野において地方が持つ伸び代を活かし、地域ごとの産業クラスターをインフラ整備と一体的に整備することで、世界をリードする技術・ビジネスの創出や地場産業の支援を行う方針が示されています。 

    市といたしましては、今後、政策アドバイザーに就任いただいた株式会社日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門プリンシパルの東博暢(あずま ひろのぶ)氏の助言も得ながら、戦略分野に位置付けられている「造船」「防衛産業」「海洋」といった舞鶴市でしか構築できない産業構造を核として構想を練り上げてまいります。

    具体的には、港湾、防災・国土強靭化、エネルギー・GX(グリーン・トランスフォーメーション)に加え、今般立地が決定したAIデータセンターなどの関連戦略が連携した「産業クラスター」、そして、高度な技術人材を育成する舞鶴工業高等専門学校を中心とする「人材育成システム」で形成する産業クラスター構想を早急に取りまとめ、これが国の「戦略産業クラスター計画」に位置付けられるよう、国や京都府に対し、積極的に働きかけてまいります。

    産業の発展と時を同じくして、今、舞鶴には未来への飛躍を決定づける「大きな追い風」が吹いています。

    私たちは、北陸新幹線「舞鶴ルート案」の再検討という、千載一遇の好機を迎えました。

    かつて議論の俎上に上がったこのルートが再び脚光を浴びていることは、市が京都府北部、ひいては日本海側の拠点として、国家戦略上極めて重要な位置にあることを訴えてきた私たちの取組が実を結び、再認識されたわけであります。

    新幹線の誘致は、単なる移動手段の確保や人流の創出に留まらず、国防・エネルギー・物流の要衝としての機能を強化し、さらには山陰新幹線との結節点となる日本海国土軸を創出する、舞鶴市の「活力」を加速させるための究極のエンジンです。

    さる2月21日には、私と舞鶴市議会議長、舞鶴商工会議所会頭が発起人となり、北陸新幹線舞鶴誘致促進会議の設立に向けたキックオフ・ミーティングを開催いたしました。

    私は、この「舞鶴ルート」の実現に向け、市議会や経済界と強固に連携し、不退転の決意で、戦略的かつ力強い誘致活動を全身全霊で展開してまいります。

    舞鶴の、そして京都府北部の未来を決定づけるこの好機を、私たちは決して逃しません。

    こうした地域産業の活性化やインフラ整備の先に私が描くのは、次代を担うこどもたちが希望を持って輝けるまちの姿です。

    全国の多くの自治体と同様に、舞鶴市においても人口減少や少子化に伴う学校の小規模化が進んでおります。

    しかし、こうした時代の変化の中にあっても、こどもたちが環境の変化に左右されることなく、やりたいスポーツや文化・芸術活動を主体的に選択できる環境をつくり上げることこそが、私たちの責務であります。

    市では、これを、未来を見据えた最重要施策と位置付け、部活動の地域展開を強力に推進してまいりました。

    長らく学校の中で行われてきた部活動を地域の活動へと展開するこの取組は、誰も経験したことのない新たな挑戦です。

    私は自ら先頭に立ち、各競技・団体の皆様と対話を重ねる中で、舞鶴市における部活動の地域展開を着実に前進させてまいりました。

    こうした中、今年度の実証事業「まいかつ体験」においては、ダンスやデジタルアート、eスポーツ、競技かるたなど、これまでの学校における部活動では考えられなかった新たな活動を導入することができ、参加した多くの中学生が、地域クラブ活動「まいかつ」に新たな希望を感じてくれたものと確信しております。

    いよいよ令和8年度2学期からは、休日の地域クラブ活動「まいかつ」が本格始動します。

    「まいかつ」が、学校の枠を超えた仲間達と、自分の好きなことに熱中できる大切な居場所となり、そこで生まれる幅広い世代の交流や活力を、魅力あるまちづくりへと繋げていけるよう、しっかりと育ててまいりたいと考えております。

    この実現には、多くの人の関わりが必要です。

    まち全体でこどもたちを育む環境をつくるため、そして舞鶴を元気にするために、「オール舞鶴」体制で「まいかつ」を実現させ、未来に誇れる取組として、力強く推進してまいります。

    その推進エンジンとして、「まいかつ担当課長」を設置いたします。

    参加する生徒や保護者、そして地域の指導者の皆様と円滑に連携し、この新たな挑戦を責任を持って牽引してまいります。

    また、市民の皆様とお約束した「学校給食費の無償化」におきましても、次世代への積極的な投資として着実に歩みを進めてまいりました。

    令和6年度の中学校、令和7年度の小学校と段階的に拡大し、いよいよ令和8年度、小中学校揃って「通年での完全無償化」が実現します。

    日々、子育てに奮闘しておられる保護者の皆様からの「非常にありがたい」といった温かいお声こそが、私の何よりの原動力であり、所得制限を設けず、すべてのこどもたちに安全で美味しい給食を届けるこの取組を、引き続きしっかりと進めてまいります。

    さらに、給食における地場産物の活用を推し進め、「郷土愛を育む給食」を深化させます。

    これまで「万願寺甘とう」などの特産品や舞鶴産コシヒカリ、そして令和7年度からは魚の献立も「舞鶴の魚100%」へと切り替えてまいりましたが、令和8年度からは、この取組を「野菜」へと広げます。

    じゃがいもや玉ねぎなど、給食に欠かせない食材から順次、舞鶴産へと転換してまいります。

    これを実現するのは、このたび発足した、地元農家、市場開設者、そして行政がしっかりと手を携える「新しい受注生産体制」です。

    「舞鶴のお野菜、おいしいね」という会話が教室に溢れ、生産者との交流が生まれ、その思いに触れることこそが、何物にも代えがたい「生きた食育」であると考えております。

    舞鶴の豊かな自然に育くまれた記憶は、将来、「ふるさと舞鶴は素晴らしい」という誇りと郷土愛に変わるはずです。

    地域の皆様と共にこどもたちの健やかな成長を支え、豊かな食文化を未来へと力強くつないでまいります。

    それでは、上程された議案につきまして、その概要を説明いたします。

    はじめに、第1号議案 令和7年度一般会計補正予算第7号の専決処分につきましては、先の衆議院の解散による衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の執行に伴う経費を追加したもので、補正額は、歳入歳出いずれも5,000万円の増額で、この結果、予算総額は、433億6,894万円となっております。

    次に、第2号議案から第10号議案までの令和8年度一般会計予算及び各特別会計予算について説明いたします。

    現在の舞鶴市においては、急速に進む人口減少や少子高齢化、激甚化する自然災害への備え、そして地域経済の活力維持など、直面する行政課題は日々複雑化・多様化しており、まさに「かつてない転換期」にあります。

    しかし、私はこの現状を、決して悲観してはおりません。

    これらの課題を単なる「負担」としてネガティブに捉えるのではなく、むしろ、これまでの既成概念や前例を打ち破り、市民一人ひとりが豊かさと幸せを実感できる、新しい都市モデルへの「変革の好機」であると確信しております。

    市長就任以来、私は「変化を恐れず市政を前進させる」という強い覚悟のもと、創意工夫を凝らし、スピード感を持って市政に邁進してまいりました。

    子育て支援医療費助成の18歳までの拡充や「こども家庭センター」の開設 、小中学校給食費の無償化、さらにはトイレの洋式化や中学校体育館の空調整備といった教育環境の充実。

    市民生活の安全・安心においては、台風7号災害からの迅速な復旧・復興、西消防署の移転新築など「災害に強いまちづくり」を進めるとともに、物価高騰対策としてプレミアム付商品券の発行や水道基本料金の無償化を断行してまいりました。

    加えて、都市の魅力を高める布石として、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」を活用したまちづくりDXの推進や、世界記憶遺産登録10周年事業、大阪・関西万博への出展を通じた国際発信力の強化にも努めてまいりました。

    同時に、ふるさと応援寄附金の拡大やネーミングライツの導入など、自ら稼ぐ力を養うための「歳入確保」にも全力で取り組んできたところであります。

    令和8年度は、これら3年間の歩みを礎(いしずえ)とし、市の未来を決定づける「未来への戦略的な集中投資期間」と位置づけております。

    今、舞鶴市には将来を見据えた「成長の加速」が必要です。

    中央図書館や中地区の公立認定こども園、重要文化財赤れんが倉庫群などの整備といったインフラ更新をはじめ 、福祉人材を確保する「まいづる福祉人材未来プロジェクト」や、こども達の夢を育む地域クラブ活動「まいかつ」の本格始動といった「人への投資」を力強く進めてまいります。

    これら舞鶴市の発展を実現する各種施策を加速させるため、令和8年度の予算編成にあたりましては、従来の枠配分方式に「一件査定」を組み合わせたハイブリッド方式を採用いたしました。

    これは、組織の枠にとらわれない自由な発想と政策立案能力の向上を目的とした挑戦であり、私自身が新規・拡大事業のみならず、既存事業を含む個々の事業要求に対して徹底的に精査を行い、真に必要な事業の見極めに心血を注いでまいりました。

    一方で、未来にツケを回さないための「持続可能な財政基盤の堅持」も、私に課せられた極めて重要な責務であります。

    これまで行財政改革によって着実に積み上げてきた基金を賢く活用しつつ、投資と規律の均衡を保つことで、「攻め」と「守り」の両輪が揃った実効性のある予算を編成いたしました。

    この結果、一般会計予算額は420億3,967万円となり、令和7年度当初予算比で約15.4億円(3.8%)の増、市制施行以来、過去最大規模の予算を確保するに至りました 。 

    この3年間の総仕上げとして、そして、舞鶴市が次なる時代へと飛躍するため、「未来に希望がもてる活力あるまち・舞鶴」の実現に向け、市民の皆様とともに、この予算を「希望の種」として大きく育てていく所存であります。

    令和8年度は、私が特に強い思いを持って取り組む以下の重要施策を中心に、市政を強力に前進させてまいります。

    市政運営に必要な行財政改革の更なる推進

    まずはじめに、市民の皆様の「命」と「健康」を守り抜く、舞鶴市の最重要課題である地域医療の確保についてであります。

    「次世代へつなぐ~安心して暮らせる舞鶴へ~」。広報まいづる2月号の表紙に掲げたこの言葉にあるように、当たり前の日常を次世代へ引き継ぐことこそが、私の使命にほかなりません。

    舞鶴市の地域医療は今、次の時代にふさわしい形へと歩みを進める大切な時期を迎えています。

    現場の最前線を預かる4病院長自らが、最適化検討会議において膝を突き合わせて議論を尽くし、その総意として導き出されたのが、東地区と西地区にそれぞれ一つずつの拠点を置く「4病院の再編・統合」という大きな決断でありました。 

    現在、各病院本部との密接な協議を継続しており、その歩みは着実に進んでおります。

    市民の皆様の暮らしに直結するからこそ、今後の進捗についても、適切な段階でしっかりお伝えしてまいります。

    また、本日の午後、京都府の中丹地域医療構想調整会議が開かれます。

    この会議において、市が進めてきた再編議論を核とし、中丹医療圏全体の将来体制を構築するため、国による「重点支援区域」への申請が議題に挙げられる運びとなりました。

    これは、市が進めてきた再編議論を、国や京都府を含めた議論へと発展させ、新たな段階へ押し上げるものであり、大きな前進であります。

    この重点支援区域とは、国・府・市が連携を深めるだけでなく、再編統合の実効性を高める「国からの重点的な支援」を優先的に確保しやすくなる制度であります。

    つまり、指定がなされれば、舞鶴の医療を守るためのこの間の取組が国や京都府に認められ、財政面や技術面においても強力なバックアップを得られる体制が整っていくことを意味します。

    市といたしましては、このメリットを最大限に活かし、これまで以上に京都府と歩調を合わせ、市の医療提供体制をより確かなものになるよう着実に推進してまいります。

    私の決意に揺らぎはありません。令和8年度は、再編に向けた道筋が迎えられるよう、全力を尽くします。

    市民の皆様に対し、将来の医療の形を責任をもってご報告できるよう、強い覚悟をもってこの重要な局面を乗り越えてまいる所存であります。

    誰もが安心して医療を受け、健やかに暮らしていける未来。この揺るぎない安心基盤があってこそ、まちの活力は生まれます。

    この安心を力に変え、将来を担う一人ひとりが夢を描き、挑戦し続けられる活力ある舞鶴を築き上げ、次世代へつないでまいります。

    次に、人々の社会的孤立を防ぎ、安全・安心な暮らしと、こどもたちの健やかな成長を支える地域コミュニティについてであります。

    昨今の地域コミュニティの現状は、人口減少・少子高齢化の影響だけでなく、女性の社会進出や共働き世帯の増加、人生100年時代を反映した定年延長など、大きな社会構造の変容により人々の社会への関わりが経済活動へと大きくシフトされ、地域活動への関わりが希薄になるという新たな構造的な課題を抱えております。 

    地域コミュニティの基盤である自治会に対しては、「自治会活動に関わりたくない」「自治会は必要か」といった厳しい声が聞かれ、自治会活動に対するネガティブな思いが広がっています。

    しかしながら、地域コミュニティが消失し、つながりが希薄になることが、将来にわたって希望に満ちた地域づくりにつながっていくのか、次世代に地域をつないでいくことができるのかと考えた時、今こそ、私たちは地域と行政、また地域同士が力を合わせて、皆様とともに地域のつながりづくりを模索していく局面ではないかと考えます。

    そのために、地域とともに行政も悩み、知恵を出し合いながら、この人口減少時代に、この地域にふさわしいコミュニティのあり方を構築してまいります。

    私がそのための一歩としてまず目指したいのは、自治会に対して行政がお願いしている負担の軽減であります。

    令和7年度には、行政から自治会等への依頼業務に対する見直しを行い、選挙事務における立会人を自治連合会への依頼から公募に切り替えたほか、8年度には、各種会議への参加軽減、廃棄物減量等推進審議会からの答申を得るなかで、不燃ごみにおける立ち番制度の任意化を検討するなど、自治会の負担軽減に資する取組を進めてまいります。

    加えて自治会への情報提供の手段のデジタル化の検討なども積極的に進めてまいります。  

    これからの自治会の姿については、もはや単独自治会だけでは活動が一層厳しくなることに対応するため、個々の地域住民やNPO、市民団体、事業所など多様な主体が、それぞれの特性を生かしながら連携・協働を推進し、支え合う仕組みづくりの構築を目指すため、地域の多様な主体と共に対話を重ね、意識醸成を図り、市民と行政が共に目指す地域コミュニティの姿を市の方針として創りあげてまいります。

    令和8年度には、自治会活動の棚卸しと、新たな地域コミュニティの構築に取り組み、文字通り「市民協働」の名にふさわしい連携のあり方を明確にしてまいります。

    このコミュニティの輪を、さらに広げていくためには、「多様性」こそが地域の力になると私は確信しております。

    その推進役として、市民協働推進課に新たに「女性活躍・多様性共生推進係」を設置いたします。

    男女共同参画のさらなる推進はもちろん、女性がより一層輝き活躍できる社会、そして外国人をはじめとする多様な人材が、互いに認め合い、安心して暮らすことのできる「選ばれるまち・舞鶴」を、組織として強力にバックアップしてまいります。

    こうした施策を推進するとともに、デジタル技術を積極的に活用し、職員一人一人の意識を変革させながら、行政サービスのあり方も進化させなければなりません。  

    私は、デジタル化の真の目的は、単なる行政の効率化ではなく、市民ひとりひとりの暮らしをより豊かに、そして市政をより身近に感じていただくことにあると考えております。

    これまでから舞鶴市では公式LINEを通じて情報発信を行ってまいりましたが、令和8年度、舞鶴市は「手の中にある市役所」の実現に向け、さらなる大きな一歩を踏み出します。 

    これまでは市から一斉にお届けする「一方通行」の情報が中心で、「自分に関係のない情報が届く」といったお声もいただいてきました。

    こうした課題を解決し、LINEを皆様と市政を双方向で結ぶ「究極の窓口」へと進化させます。

    具体的には、皆様が設定された「子育て」や「防災」などの属性に合わせ、必要な情報だけを確実にお届けする「絞り込み配信」の導入や、これまでハガキ等で届いていた市役所からの通知をスマホで受け取れる「デジタルポスト機能」の導入を目指します。

    また、チャットボットや電子申請・各種予約など、さまざまなデジタル化の取組を今後1年かけてLINE上に集約し、舞鶴市のことは舞鶴市公式LINEを見ればすべてわかるような仕組みづくりを目指します。

    これにより、「伝えたつもり」から「心に届く」サービスへと進化させ、舞鶴市公式LINEという共通の入口から、誰もが便利さを実感できる世界を目指します。  

    あわせて、実際の窓口におきましても、「誰もが笑顔になれる窓口」を目指し改革を進めます。

    市役所に来なくても手続きが行えるよう、コンビニ交付の利用拡大や電子申請が行える手続きを増やすとともに、去る2月2日に西支所で導入した窓口案内・整理券発行のデジタル化を、令和8年度には市民課、福祉部にも導入いたします。

    さらに、POSレジ・自動釣銭機を西支所、市民課、会計課、収納推進課に導入し、キャッシュレス対応が可能となるよう進めてまいります。

    また、広報力の強化にも取り組みます。

    私は、広報活動は、舞鶴の魅力を市内外へ伝え、市民の皆様と市政を信頼で結ぶ「架け橋」だと考えております。

    これまでもSNS等を活用し、積極的な発信に努めてまいりましたが、令和8年度からは「情報発信のあり方そのものを変革する」という決意のもと、仕組みを抜本的に見直します。  

    具体的には、地域活性化事業において成果をあげている総合エンターテインメント企業と連携協定を締結し、最先端のノウハウを持つ広報アドバイザーを招くとともに、市職員を民間へ派遣し「広報のプロ」を育成します。

    「誰に・いつ・何を」届けるかを徹底的に突き詰め、「伝えたつもり」から「心に伝わる」広報へと進化させることで、舞鶴への愛着を育み、透明性の高い市役所を実現します。

    市民の皆様に、舞鶴の躍動をより身近で力強く感じていただけるよう、職員一丸となって全力で取り組んでまいります。

    次に、デジタル化の恩恵を最も届けたい現場の一つである、次世代育成環境の整備についてであります。

    共働きのご家庭が増えるなど、こどもたちを取り巻く環境は大きく変化しています。

    そうした中で、こどもたちが放課後を安全に、そして健やかに過ごせる環境を整えることは、舞鶴市にとって優先して取り組むべきテーマです。

    保護者の皆様が、仕事と子育てを安心して両立できるよう、「放課後児童クラブ」のさらなる充実に取り組んでまいります。

    まずは、利便性の向上です。

    令和8年度分の新規募集からオンラインでの申請受付をスタートした所であり、忙しい合間を縫って市役所へ来ることなく、スマートフォンから24時間いつでもどこでも申請できる環境を整えます。

    次に、現場におけるデジタル化についても改革を進めて、放課後児童クラブの支援員が、本来最も重要である「こどもたちの見守り」に全力を注げる体制の構築を目指してまいります。

    支援員が、こどもたちの些細な変化に気づき、その声にじっくりと耳を傾ける。

    そんな温かなコミュニケーションが生まれてこそ、児童クラブは単なる預かりの場ではなく、こどもたちが自分らしくいられる「大切な居場所」になると考えております。

    「こどもたちが主役」の放課後を大切に守り、保護者の皆様に「預けてよかった」と心から安心していただける環境を、しっかりと整えてまいります。

    こうしたこどもたちの未来を見据え、本年は、市の新たな指針となる「次期総合計画」を策定する、極めて重要な一年となります。 

    2040年には、団塊ジュニア世代が高齢者となり、人口減少と少子高齢化がピークを迎える、いわゆる「2040年問題」に直面いたします。

    しかし、私はこの現実を悲観してはおりません。

    むしろ、これまでの常識や前例にとらわれず、人口規模が縮小しても、市民一人ひとりが豊かさと幸せを実感できる、新しい社会モデルへと進化する「変革の好機」と捉えています。  

    困難な時代だからこそ、私たちは舞鶴の原点に立ち返ります。

    それは、市民の皆様が誇る「人との温かいつながり(人)」、郷土を慈しむ「深い地域愛(愛)」、そして歴史に培われた「まちへの確かな誇り(誇り)」です。

    これら「人・愛・誇り」を原動力に、次世代へと希望を力強く紡いでいくため、次の「3つの視点」を中心に、新たなまちづくりを描いてまいります。  

    第一の視点は、「多様な『絆』が育む、安心と共生のくらしづくり」。人と人、地域と行政が温かい「絆」で結ばれ、互いに支え合うことで、誰もが孤立することなく安心して暮らせる社会を目指します。 

    第二の視点は、「『誇り』を育み、自分らしく挑戦するひとづくり」。次代を担うこどもたちが、地域全体からの愛情を受けて健やかに育ち、笑顔があふれる未来をつくります。 

    第三の視点は、「『変化』に挑み、世界を魅了するまちづくり」。海や港、赤れんがといった舞鶴市固有の資源に、新しい発想を掛け合わせることで、産業や観光に新たな価値を生み出します。 

    次期計画では、これら3つの視点を柱に、2040年に向けて私たちが目指すべきまちの姿を具現化してまいります。

    策定にあたっては、「#みんなでつくる舞鶴2040」プロジェクトなどを通じ、市民の皆様と対話を重ね、共に創り上げてまいる所存です。

    この将来ビジョンの核となる「こども施策」について、より具体的な展開を申し上げます。

    市長に就任し、まず取り組んだのが、令和6年4月、中総合会館での「こども家庭センター」の開設でありました。

    ここでは、子育て世帯のための総合相談窓口として、母子手帳の交付から始まり、乳幼児健診、児童虐待防止対策、包括的性教育、医療的ケア児を含む発達支援まで、妊娠から18歳までの子育て家庭への様々な取組を包括的に推進しています。 

    今年5月からは、児童手当や障害児福祉、放課後支援、幼稚園・こども園の入所、入園の受付といった窓口業務を担っている、現在、市役所本庁舎にある「子育て応援課」、「乳幼児教育推進課」を中総合会館に移転し、機能を拡充する計画としています。 

    また、不登校で悩む児童生徒の学校復帰と社会的自立を支援するために開設しております教育支援センター「明日葉」を中総合会館に移転する検討を進め、健康・こども部局と教育委員会との連携を強化し、重層的な支援の確保を図ってまいります。

    さらに、令和10年度には中保育所を公立認定こども園へ移行させ、乳幼児教育センターとともに中総合会館南側に移転整備することから、これらにより、中総合会館周辺一体を「こども・子育て支援を切れ目なく提供する拠点」、そして「地域に開かれた日常的に訪れる心地よい居場所として」機能させ、こどもや子育て家庭の方々が「こどもに関することなら、一貫して中総合会館に行けば解決する」、舞鶴市のこども施策を象徴するシンボリックな施設となるよう段階的な充実に努めてまいります。  

    さらに、令和8年度は、舞鶴市の他の自治体に負けない子育て支援の魅力や環境を全国に発信し、「子育てにやさしいまち」としての認知度の向上と、子育て世代の転入・定住の促進を目的として「子育て支援PR動画」を製作いたします。

    「共感」を呼ぶリアルかつ懐かしいストーリー構成と、YouTube等への掲載により、忙しい日常でもすぐに見られる短尺のコンテンツを計画しており、より多くの皆さまの「心に伝わる」内容となるよう、取り組んでまいります。

    また、教育の現場におきましても、新たな挑戦を始めます。

    今の社会は、多様な個性を持つこどもたち一人ひとりに寄り添い、その可能性を最大限に伸ばす教育が強く求められています。

    その中で、「こどもの発達が気になる」「より適した学びの場はないか」といった保護者の皆様からの切実な声は年々高まっております。

    舞鶴市ではこれまで、令和6年度から文部科学省のモデル事業として城南中学校区でインクルーシブな学校運営モデル事業の研究実践を重ね、令和7年度には学校教育課内に「特別支援教育係」を設置し、切れ目のない支援体制づくりに汗を流してまいりました。 

    そして令和8年度からは、さらに大きな一歩を踏み出します。

    それは、日本の知の拠点である「東京大学大学院」との本格的な連携です。

    内閣府の国家プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム」に採択されている同大学院の専門チームとタッグを組み、舞鶴のこどもたちのために「より良い教育相談の仕組みづくり」を目指していきます。 

    「教育相談」は、特別支援学校や特別支援学級への入級を検討する際、こどもの将来に向けて「何が必要か」を多角的に分析し、親子が抱える「不安」を「希望」に変える最初の入り口です。

    ここに、最先端の東京大学の知見を取り入れ、現場の教職員や保護者の皆様との丁寧な対話を通じて、舞鶴の実情に即した仕組みを共に創り上げ、将来的にはAI技術を導入していきたいと考えております。

    これは決して機械任せにするのではなく、AIのサポートにより教員の知恵をさらに深め、より客観的・多角的な視点から、その子にフィットした支援プランを迅速に提案する「教育DXによる舞鶴モデル」の構築に挑戦するものです。

    併せて、教員の専門性向上と教員のメンタルヘルスを支える支援体制を整えてまいります。

    「舞鶴に生まれたすべてのこどもたちが、自分らしく輝ける場所」。東京大学大学院という強力なパートナーと共に、温かく、かつ最先端の教育環境を市民の皆様と一緒に創り上げていきたいと考えております。

    このようなソフト面の充実に加え、こどもたちが過ごす「学びの場」そのもののあり方についても、正面から向き合わなければなりません。

    少子化が進む中で、こどもたちの成長にとって真に望ましい教育環境とは何か。

    この重要な課題に対し、将来を見据えた学校再編を含めた検討を深めるため、教育未来課に「学びの環境デザイン担当課長」を設置いたします。

    行政だけの理屈で進めるのではなく、学校現場の視点をしっかりと取り入れながら、こどもたちの未来にとってベストな環境をデザインしていく決意です。

    また、学校教育課の体制を強化し、同課に「学校生活相談係」を新設いたします。

    課題を抱える児童生徒や、児童生徒を支える学校現場を包括的に支援し、より一層こども達の心に寄り添った伴走支援を行ってまいります。 

    こうした未来への投資を支えるために、市民の皆様の安全な暮らしを支える基盤、土木インフラの維持管理にもしっかりと取り組みます。  

    現在、全国各地でインフラの老朽化が深刻な社会問題となっています。

    昨年2025年には、各地で道路陥没や水道管破損による事故が相次ぎました。

    これらは決して対岸の火事ではありません。

    市においても、高度経済成長期に整備された施設が一斉に更新時期を迎える中、「限られた財源と人員」でいかに安全を維持していくかが喫緊の課題となっています。 

    特に、この状況に拍車をかけているのが「深刻な技術職員の不足」です。

    市では10年後に土木職員が半減すると見込まれており、従来のような「人手に頼った維持管理」はもはや限界に来ています。

    こうした難局を乗り越え、将来にわたって街の安全を守り続けるため、昨年、日本最大手の建設コンサルタントである日本工営株式会社と連携協定を締結しました。

    この強力なパートナーシップのもと、最新技術を駆使した「デジタルメンテナンス」を推進してまいります。

    具体的には、日本初の試みとなる「高潮予測データ」により道路冠水を事前に予測し、精度の高い現場対応を実現するとともに、最新の通信技術を用いた「遠隔監視システム」を導入し、アンダーパスの冠水や橋梁の風速変化をリアルタイムで捕捉いたします。

    これまで職員の経験則に委ねられていた現場判断を、確かなデータとして可視化・蓄積することで、客観的な根拠に基づく迅速な意思決定を行う「データ駆動型維持管理」を実現します。

    これにより、職員による現場確認を効率化し、真に必要な箇所へ人員を集中させるなど、業務を徹底的に最適化いたします。

    令和8年度は、蓄積されたデータを活用し、官民一体で効率的に土木インフラを守る「包括的民間委託」の導入検討を本格化させます。

    最新技術を賢く使いこなし、事後保全から「予測に基づく予防保全」へと進化させることで、市民の皆様の安全・安心を揺るぎないものとし、持続可能な舞鶴の未来を切り拓いてまいる所存です。

    道路や橋梁と同様に、学校や公民館といった「公共施設」もまた、次世代へ引き継ぐべき大切な資産です。

    未来への投資を支える行財政基盤をより強固なものとするため、財務部に「資産マネジメント推進室」を新設するとともに、公共施設の整備や長寿命化を専門的に担う「施設整備課」を立ち上げます。

    これまでの「作っては壊す」時代から、「賢く使い、守り抜く」時代へ。この間実施してまいりました、ワークショップや公共施設シンポジウム等の議論も踏まえて、ファシリティマネジメントの視点を徹底し、市民一人ひとりが公共施設を自分ごととして捉えていただく機運を醸成しながら、次世代に過度な負担を残さない、持続可能で効率的な施設管理を実現してまいります。

    さらに、東地区のまちづくりにおいては、3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」を活用し、除却を計画している東地区周辺市街地複合施設いわゆる旧マイコム跡地の利活用なども含め、エリア全体の将来のまちづくりのシミュレーションを行うなど、地域の皆さまと一緒に「東地区のまちづくりビジョン」を策定する予定としております。

    このビジョンでは、令和7年度に東地区まちづくり懇話会からご意見をいただき、舞鶴市として検討を進めてきた「(仮称)まちなか高専構想」を具現化することとします。

    「(仮称)まちなか高専構想」は、東地区のまちなかエリアに舞鶴工業高等専門学校の一部を「まちなかキャンパス」として誘導し、北近畿で唯一の工業系高等教育機関をまちづくりの軸とすることで、都市機能が集積する利便性の高いまちなかの形成を目指すものです。

    また、地域に定着し地方創生を牽引する理工系人材を育成し、教育・研究活動の発展と産学連携・地域連携の機会の増加、さらには新たな産業創出につなげ、舞鶴市の未来に希望がもてる活力あるまちづくりを進めるものです。

    この取組について、まずは舞鶴高専と舞鶴市で「まちなかキャンパス」について協議検討を始めるにあたり、明日2月25日に覚書を締結することとしています。

    インフラの守りと共に、地域の活力を生み出す「攻め」の施策を積極的に推し進めます。

    まず、舞鶴市最大の地域資源である京都舞鶴港の振興についてであります。

    関西経済圏における日本海側唯一の重要港湾である京都舞鶴港では、現在、国及び京都府において、舞鶴国際ふ頭の2バース目の岸壁整備とふ頭用地拡大に向けた第Ⅱ期整備の事業進捗が図られ、港の機能強化が着実に進んでいるところであります。

    これらのさらなる加速に向けて、昨年10月には、港の利用促進や地域経済の飛躍・発展を目的に、西脇京都府知事を会長とする「京都舞鶴港振興促進協議会」が開催され、地元企業からのご意見・港湾活用に対する熱い想いをお聞きする中で、これらを踏まえた尚一層の事業進捗に加えて、「第3バース整備事業化の検討」という国際ふ頭の完成形に向けた新たな要望も決議されたところであります。  

    こうした港湾機能強化の機運の高まりを受け、投資に見合う最大限の効果を発揮するため、京都舞鶴港振興会の理事長でもある私自身が直接企業トップの方にお会いしてのトップセールスを含めた「攻めの集貨活動」を展開するとともに、多くの荷主企業が再開を熱望する「中国直行コンテナ航路の復活」という至上命題に全力で取り組み、機能強化が進む京都舞鶴港がフル活用できるよう強い意志を持って取り組んでまいります。

    これを組織面からも支えるため、産業振興部に「みなと・産業振興課」を新設いたします。

    物流やクルーズ客船など「みなと」の振興と、企業立地を一体的に捉えて連携を強化し、港のポテンシャルを最大限に活かした産業発展を加速させてまいります。

    また、人流・物流の要である舞鶴・小樽間を結ぶ国内フェリー航路では、昨年11月、舞鶴市の市の木(しのき)にちなんで命名された新造船「けやき」の新規就航に続き、本年6月には2隻目の新造船の就航が予定されています。

    「新しい船に乗ってみたい」という乗船機運の大きな高まりを見据えつつ、航路で結ばれる港湾・地域とも連携しながら、関西と北海道を繋ぐ経済と暮らしを支える重要な交通・輸送インフラである国内フェリー航路の活性化に向け、この好機をしっかりと捉えた取組を進めてまいります。  

    さらに、港まちに活気と華やかさをもたらすクルーズ船の取組においては、令和8年は、すでに20回を超える寄港の予定があり、寄港数が昨年から倍増する見込みです。

    また、初寄港船は7隻にのぼるなど、入港する客船のバリエーションもさらに多彩なものとなり、様々な国籍・地域のお客様を京都舞鶴港にお迎えします。

    これまでの粘り強い誘致の取組が寄港実績としてあらわれる中、寄港地としてのインバウンド観光のさらなる活性化とクルーズ寄港による地域経済への一層の波及拡大に向け、乗船客の皆様が「またこのまちに来たい」と感じていただける、さらには、受入に関わる方々の満足度や達成感にもつながる取組を、地域や事業者の皆様などと、ワンチームとなって推し進めてまいります。

    次に、観光振興においては、現在、実施しております観光事業者等へのヒアリングや、観光まちづくりワークショップでの意見交換なども踏まえ、令和8年度から、今後の観光施策の指針となる「観光振興ビジョン」の策定に取り組んでまいります。

    この「観光振興ビジョン」で目指すものは、観光客数は増加傾向にある一方で、宿泊者数や観光消費単価は伸び悩み、いわゆる「通過型」の日帰り観光に留まり、観光客数の増加が必ずしも地域経済の活性化に結びついていないという現状を打破することであります。

    今後の観光振興においては、単なる観光誘客に留まらず、人口減少や産業構造の変化といった地域の課題解決に貢献し、これまでの「数」を追う観光から、「質」を高める観光へと転換させ、「地域で稼ぐ力」と「地域の活力」を生み出すことが重要であります。

    このことから、「オール舞鶴」で活力を生み出すビジョンを未来への羅針盤として示すとともに、産業振興部に「商工・観光振興課」を新設し、市民の皆様や事業者の皆様との対話と連携を大切にするなかで、戦略的に施策を展開し、舞鶴の新しい未来を力強く切り拓いてまいります。

    その皮切りとして、設置から20年となる農業公園と親海公園のバージョンアップに取り組みます。

    コテージの宿泊利用が伸びている農業公園は、海側広場に大浦地域の豊かな緑と田畑、海、冠島が望めるビュースポットデッキとベンチを新設します。

    また、親海公園は釣りの愛好家から家族連れまで、誰もが快適に楽しく魚釣りをしていただける「フィッシングの聖地」を目指し、施設改修計画を策定してまいります。

    大浦地域の海で釣りを楽しみ、自然を満喫し、宿泊していただく。

    まさに地域資源を連携させて相乗効果を発揮し、「地域で稼ぐ力」と「地域の活力」を生み出すものであります。

    また、新たな産業の芽を育てることも重要です。

    「舞鶴なら、挑戦できる」「舞鶴なら、必ずチャンスがある」と、誰もが実感できる環境を整備することが、地域経済活性化の鍵を握ると考えており、令和8年度から、創業支援体制を集中的に強化した「ローカルベンチャー創生事業」を展開してまいります。  

    産業支援プラットフォームによる支援体制に加え、新たにスタートアップ支援に豊富なノウハウとネットワークを有する民間事業者等と連携し、開業資金の助成にとどまらず、ビジネスプランの構築から事業の軌道化までを高い専門性により伴走支援するインキュベーション機能を整備します。

    この地に活気ある土壌を生み出し、進学のために舞鶴を離れた若者を呼び戻すとともに、地域の課題解決に積極的に取り組む全国からの起業家を迎え入れ、舞鶴工業高等専門学校等と連携したアントレプレナーシップ教育による若者の起業マインド醸成にも取り組みます。

    スタートアップ支援による新たな産業の創造への機運を高め、誰もが挑戦できる、輝ける舞鶴の未来を切り拓いていく決意であります。

    一次産業におきましては、舞鶴のブランド力を高める取組を進めます。

    舞鶴市では、近畿トップの水揚量をほこる「小型クロマグロ」に着目し、「丹後とり貝」や「舞鶴かに」などに続く、消費者や観光客を惹きつける魚として、ブランド化を目指すとともに、漁業経営の安定化を図ることを目的に、京都府と連携し、令和7年度からPR事業を展開しています。

    去る1月30日には、ブランド名が「都まぐろ」に決定したところであり、京都府産小型クロマグロの試食会や市内で京都府産小型クロマグロを丼、寿司、刺身等提供する「都まぐろフェア」を実施するなど、令和8年度も消費者にむけて「都まぐろ」の魅力を積極的にPRするとともに、広く多くの方にその魅力を味わっていただけるよう、今後はふるさと納税返礼品をはじめとする商品開発にも力を注いでまいります。

    また昨年、日本一に返り咲いた「舞鶴茶」については、近年の抹茶ブームによりブランド力が向上し、担い手の参入や継承も進んでいることから、てん茶工場の更新を力強く後押し、茶の品質向上、加工の効率化を支援してまいります。

    こうした地域の営みを支える根本は「人」です。

    特に、「安心して暮らせる支え合いのまち」を実現するための福祉人材の確保は、最重要課題の一つです。  

    このため、市では、令和7年度から9年度までの3年間で100人の人材獲得を目標に掲げた「まいづる福祉人材未来プロジェクト」を、昨年10月に始動いたしました。  

    プロジェクトの初年度である令和7年度には、高齢者・障害者福祉の事業所への就労を促すため、復職者や転入者への奨励金支給、外国人材の家賃補助や電動アシスト付自転車の購入補助といった、経済的支援をスタートさせました。

    あわせて、PRキャラクター「未来さん」が登場する漫画や、福祉現場で活躍する職員の紹介動画を通じて、福祉職場の魅力を多角的に発信し、人材確保に向けた土台を築いてまいりました。

    令和8年度は、これまでの取組をさらに加速させ、持続可能な福祉サービス体制の確立を確実なものとしてまいります。  

    具体的には、まず、市街地から離れた地域の利用者宅へサービスを提供する訪問介護事業所に対し、移動経費の一部を補助する「ヘルパー遠隔地訪問支援補助金」を新設いたします。

    また、外国人職員の定着支援として、現場での円滑な業務遂行につながる「日本語教室」を開催する他、定年退職者や子育て世代等を対象とした「介護助手養成講座」を実施し、専門職と助手との業務の分業化を進め、現場の負担軽減と効率化を図ります。

    さらに、現場を支える多様な人材も確保するため、ケアマネジャー等の資格取得費用の助成を新設するほか、継続就労奨励金の対象を、現在6か月以上の就労者としているところを、1年以上就労者へと拡大して支給し、人材の定着をより一層促してまいります。

    次に、長引く物価高騰から市民生活と地域経済を守り抜くための、緊急支援策についてであります。  

    私は、この難局を乗り越えるため、まずは可及的速やかな第1弾の緊急経済対策として、12月補正予算において、「全ての市民への支援」に重点を置き、全世帯を対象とした水道基本料金6か月間の無償化や、プレミアム付商品券の発行、低所得者世帯への給付など、市民の皆様の「日々の暮らし」を守り、家計の負担を軽減することに全力を注いでまいりました。

    これに続く舞鶴市独自の緊急経済対策の第2弾として、従前から申し上げておりました通り、「全ての事業者への支援」に重点を置き、事業継続を下支えし、地域経済の基盤を守り抜く対策を今回の令和7年度3月補正予算で計上いたしました。

    長期化するエネルギー価格や原材料費の高騰は、地域経済を支える中小企業や農林水産業、そして福祉の現場に依然として深刻な影響を及ぼしており、予断を許さない状況が続いております。

    私は、この難局を乗り越え、未来への希望をつなぐため、国の交付金を最大限に活用し、切れ目のない支援を断行いたします。  

    まず、地域経済の屋台骨であるすべての事業者の皆様への支援です。

    これには、「事業の継続を守る支援」と「未来への挑戦を支える支援」の2段構えで対応してまいります。

    第一に、物価高騰により厳しい経営状況にある事業者を下支えするため、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を最大限に活用し「事業者等物価高騰対策支援給付金」を支給することで、事業の継続をしっかりと守り抜きます。

    その上で、第二に、現状を打開し、未来へと踏み出すための「前向きな投資」を力強く後押しします。

    具体的には、「中小企業者物価高騰対策支援補助金」を創設し、業務効率化や新たな販路開拓、生産性向上など、事業の改善・変革に挑戦する事業者を支援いたします。

    加えて、事業活動の根幹を支える従業員の賃上げに取り組む事業者へ重点支援を行うことで、地域経済と地域の雇用を支えていただいている事業者を、しっかりと応援してまいる所存であります。  

    次に、農林水産業につきましては、資材高騰や気候変動に負けない「持続可能な産地」をつくります。

    まず、緊急対策として、一次産業従事者に対し、経営の安定を後押しする給付金を支給いたします。

    さらに、農業では、昨年の渇水を教訓とした地域が取り組む水利施設の強化や、担い手に対する農業用機械の導入や大規模修繕にかかる費用を支援します。

    水産業では、近年の海洋環境の変化に伴う高水温化や貝毒の発生など、取り巻く環境が年々厳しさを増していることから、漁業種別の多角化による経営リスクの分散を図り、経営基盤の強化に資する取組を支援することで、舞鶴の海の恵みと生業を守り抜きます。

    そして、在宅高齢者の生活を支える「配食サービス」事業者への支援です。

    食事の支度が困難な高齢者世帯への「配食サービス」は、住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために欠かせない生命線でありますが、配送コストの上昇が経営を圧迫しております。

    この現状を踏まえ、配送に係る経費を補助し、事業の存続を守ることと合わせ、利用者の負担額を据え置くことで、経済的負担を軽減してまいります。

    いかなる社会情勢下にあっても、市民の皆様の暮らしと、このまちの産業基盤を断固として守り抜く。

    その決意のもと、機動的な対策を講じてまいります。

    結びに、これからの市政運営に向けた私の決意を申し上げます。

    どんなに素晴らしい計画も、それを実行するのは「人」です。

    私は就任以来、市政を下支えする職員が仕事に誇りとやりがいを持ち、自らが学び、成長を実感しながら、安心して働ける市役所の実現を目指し、改革を断行してまいりました。

    職員一人ひとりが心身ともに健康で、やりがいを持って仕事に向き合うことこそが、市民の皆様への質の高い行政サービス提供に直結すると確信しているからです。

    舞鶴市ではこれまで、この目標に向かって着実に歩みを進めてまいりました。

    まず令和5年度には、通年での軽装勤務の励行やパソコンのシャットダウンを実施し、メリハリのある働き方の定着を図りました。 

    続く令和6年度には、事務用パソコンの一斉更新に合わせ「Google Workspace(グーグルワークスペース)」を導入し、場所にとらわれない柔軟な働き方を可能にするなどデジタル環境を刷新するとともに、カスタマーハラスメント対策やメンタルヘルス対策、時差出勤制度の導入など、職員の心身の安全を守るための基盤を整備いたしました。

    令和7年度には、開庁時間の短縮により、時間外勤務を前提としない持続可能な働き方を推進するとともに、有識者を交えた「人事政策懇話会」を開催し、中長期的な視点から人事政策の抜本的な検討を行ってまいりました。

    令和8年度も、これまでの取組をさらに加速させます。兼業やリモートワークの導入など、時代に即した柔軟な働き方を取り入れ、デジタル技術を活用した業務効率化や、働きやすい環境づくりに全力を尽くし、市民の皆様に信頼され、職員が誇りを持って働ける「日本一働きやすい市役所」を、全庁一丸となって築き上げてまいる所存です。

    こうした市役所組織の改革に加え、市民の皆様と共に作り上げるものが、市の新たな指針となる「次期総合計画」です。  

    昨年始動した「#みんなでつくる舞鶴2040」プロジェクトでは、これまでの行政計画の枠を超えた、新しい対話の形が生まれました。

    SNSや特設サイトを通じた「市長への提言」や「2040年に残したい風景」の投稿、市民感覚を可視化する「地域幸福度(Well-being)アンケート」、そして若者、子育て世代、企業などの皆様と膝を突き合わせたワークショップなど、令和7年度を通じて、本当に多くの皆様から「未来への熱い想い」をお寄せくださいました。

    500件を超えるご意見と、100件を超える「残したい風景」の写真が寄せられており、市民の皆様の熱い思いの高まりを肌で感じております。 

    特に印象的だったのは、白糸中学校の生徒たちです。

    「自分たちが考えた舞鶴の未来への提案を、ぜひ市長に聞いてほしい」という、彼らからの力強い「逆指名」をいただき、私も先日、学校へ駆けつけ、熱い想いを受け止めてまいりました。

    自らの言葉でまちの未来を真剣に語る生徒たちの姿に、私はこのまちの底力と、確かな希望を感じております。

    また、去る2月10日には、本プロジェクトの一環として、市民有志である『MAIZURU PLAYBACK FES.』実行委員会の皆様と連携し、特別講演会『Special Talk in MAIZURU』を開催いたしました。

    当日は、私から次期総合計画の策定に向けた「#みんなでつくる舞鶴2040」の取組について、スライドを用いてその概要をご説明申し上げるとともに、「挑戦が、街の空気を変える」をテーマに第一線で活躍される登壇者の皆様と意見を交わしました。 

    トークセッションにおきましては、経営者ならではの視点から、市の現状について忌憚のないご意見をいただきました。大﨑洋(おおさき ひろし)氏からは、依然として残る「お役所仕事」的な体質についてご指摘をいただき、行政自身が変わることの重要性を痛感いたしました。

    一方で、中野優作(なかの ゆうさく)氏からは、こうしたゲストを招聘できる舞鶴市のポテンシャルを高く評価いただき、今後も恐れずに新しいものへ挑戦してほしいとの力強い激励を頂戴しました。

    私自身、この場を通じて「舞鶴を変えていく」という決意を改めて強くいたしました。

    いただいた叱咤激励を糧に、これまでの慣例にとらわれない柔軟な発想と行動力をもって、次代の舞鶴を切り拓いてまいります。

    お寄せいただいた一つひとつの声は、単なる意見ではなく、未来への「希望」です。

    これらの声を礎とし、職員の知恵と情熱を掛け合わせ、来年度には、いよいよ「次期総合計画」を策定いたします。

    この新たな計画のもと、2040年問題という時代の荒波を乗り越え、「未来に希望がもてる活力あるまち・舞鶴」を実現するために。

    市民の皆様が誇る「人との温かいつながり」、郷土を慈しむ「深い地域愛」、そして歴史に培われた「まちへの確かな誇り」を原動力に、「TEAM舞鶴」で新しい時代を切り拓いてまいりましょう。

    以上が、私が市政運営に当たります基本的な考え方並びに令和8年度における施策の概要であります。

    任期の最終年度を迎え、市民の皆様の負託にお応えし、力の限り走ってまいる決意でありますので、市議会並びに市民の皆様には、特段のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。

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