あしあと
子どもたちの毎日を支える給食は、健康な体づくりの他、まなびや地域とのつながりの場でもあります。
地元の歴史や文化、地域との連携から生まれた特別なメニューや、子どもたちの食育活動の様子を、写真やレポートで随時紹介していきます。
11月24日は「い(1)い(1)に(2)ほ(4)んしょく」の語呂合わせで「和食の日」です。
中学校では11月21日(金)に、この日にちなんだ献立を提供しました。
【和食の魅力とユネスコ無形文化遺産】
「和食」は、ごはんやみそ汁を中心に、魚や野菜を組み合わせた「一汁三菜」のバランスの良さが特徴です。この健康的で自然を尊重する食文化は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
和食の魅力は、ただおいしいだけでなく、以下の4つの特徴にあります。
多様な食材と素材の活用: 海、山、里の幸といった多彩な食材を、その素材本来の味を活かして調理します。
健康的な食生活: 動物性の油脂が少なく、栄養バランスが優れています。
自然の美しさの表現: 四季の移り変わりを盛り付けや器で表現し、見た目も楽しみます。
年中行事との関わり: 家族や仲間と行事食を囲み、人々の絆を深めます。
【給食が担う「伝統食材の継承」】
近年、家庭の食卓で、昔から親しまれてきた日本の食材を目にする機会が少なくなっています。しかし、学校給食では、その伝統的な食文化を次の世代へつないでいくため、切干大根、大豆、ひじき、高野豆腐、かんぴょう などの食材を積極的に取り入れています。
給食は、子どもたちがこれらの伝統的な食材や料理に出会い、味わう大切な場です。さまざまな食体験を通して、日本の食文化の豊かさに触れてほしいと願っています。
【和食の基本は「UMAMI(うま味)」】
和食の美味しさを支える基本が、だしです。昆布やかつお節からとれる「だし」に含まれるうま味成分は、今や世界共通語の「UMAMI」として知られています。
だしが効いたお吸い物やみそ汁は、和食のベースです。和食の日にちなんだ給食でも、その奥深い「UMAMI」を味わい、給食を通して日本の食の知恵を感じる機会となりました。
【献立】
・麦ごはん
・ブリとれんこんの甘辛和え(舞鶴産ブリ)
・筑前煮
・小松菜のごま和え
・梅干し
・すまし汁
・牛乳
11月21日(金)の和食給食。写真は中学校で提供したものです。
〜平和への願いを込めた「温かいおもてなし」の味を再現〜
10月7日は、終戦後、舞鶴港に最初の引揚船「雲仙丸」が入港した日です。舞鶴市では、この日を「舞鶴引き揚げの日」と定め、引き揚げやシベリア抑留の史実、引揚者を温かく迎え入れた町の歴史、そして恒久平和への願いを次世代へ継承しています。
給食ではこの「舞鶴引き揚げの日」にちなみ、当時の引揚者に振る舞われた食事を学校給食向けにアレンジし、再現した献立を提供しました。
【献立】
・ごはん
・アジの唐揚げ(舞鶴産)
・きんぴらごぼう
・きゅうり漬け
・みかん
・カレー汁
・牛乳
【当時の「おもてなしの心」】
引揚者の多くは、大変な苦労を経て舞鶴港に到着しました。当時、食糧や物資が不足していましたが、引揚援護局では、その苦労に配慮し「栄養豊富な食事でおもてなしをしたい」と工夫を凝らした食事が提供されました。
当時の詳細なレシピが保存されており、昭和33年には「ごはん、小アジの天ぷら、きゅうりの漬物、カレー汁」というメニューが提供されています。当時は砂糖が貴重品で、「甘いものがごちそう」であり、栄養価の面からもカレー汁は甘めの味付けになっていました。
この給食を通じて、引揚者を迎え入れた舞鶴の温かい心と、平和の尊さについて考えるきっかけになれば幸いです。
10月7日(火)の引き揚げ給食。写真は中学校で提供したものです。
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