あしあと
「佐波賀だいこん」は、舞鶴市特産の京の伝統野菜です。戦後の最盛期には「無敵だいこん」と呼ばれ、多い年には1500トン以上を出荷していましたが、昭和33年頃を境に急速に衰退していきました。そんな幻の「佐波賀だいこん」がおよそ半世紀ぶりに蘇りました。

嘉永とも安政とも推察される頃から栽培されてきた地だいこんが原種とされます。昭和30年代には盛んに栽培されていましたが、栽培期間が長いことや身がしまって重く引き抜くのに力がいるため、次第に生産者が減少していきました。
また、消費者ニーズの変化から、調理に手間のかかる伝統野菜は敬遠され、だいこん本来の風味よりもマイルドな風味が求められるようになり、昭和33年頃を境に急速に衰退。やがて市場に出回ることは少なくなりました。

一般的な大根が約3ヶ月で収穫できるのに比べ、佐波賀だいこんは秋に種を蒔き翌年2~3月に収穫する晩成型。根元は太く先が尖った形、葉は濃い緑色でタンポポの葉のように放射状に広がります。
水分が少なく、固めで身が引き締まっていることから、おろしても水っぽくならず、だいこん本来の風味と辛さが自慢です。また、煮崩れしにくいため、おでんなどの煮物に最適です。
一般的なの大根の2倍の枚数をつける葉にはビタミン、カロテン、ミネラル、食物繊維が含まれており、美味しく食べることができます。
在来作物の良さや伝統を守り続けることの大切さを再び多くの人々に伝えていくため、平成22年から京都府が保管していた種子を用いて、生産を復活させる取り組みを開始。平成24年12月には生産者、株式会社イオンリテール、京都丹の国農業協同組合、京都府と舞鶴市が「京の伝統野菜 佐波賀だいこん食文化振興協議会」を設立し、本格的に生産・販路の拡大、情報発信等に取り組んでいます。
令和7年度取り組み状況
生産者:7名
市内小中学校出前授業:14校

京の伝統野菜は現在、37品目の野菜が認定されています。これに認定されるためには、
1.府内全域が対象である野菜
2.絶滅した品目も含む
3.たけのこを含む
4.きのこ、しだは除く
5.明治以前の導入の歴史があるもの
といった定義があります。
舞鶴市が発祥とされる伝統野菜は、「佐波賀だいこん」「佐波賀かぶ」「舞鶴かぶ」の3つがあります。
種子は京都府が保管しています。
京の伝統野菜・京のブランド産品
京都府ホームページ
佐波賀だいこんレシピ
販売時期:1月中旬~3月上旬
販売場所:舞鶴市内の直売所、スーパー等
直送も可能
問い合わせ先:京都にのくに農業協同組合 舞鶴東地域農業振興係
(電話 0773-63-2072)
舞鶴市役所産業振興部農林課
電話: 0773-66-1023、0773-66ー1030
ファックス: 0773-62-9891
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