令和4年11月23日(祝日)、国指定重要文化財「行永家住宅」の秋季一般公開が開催されました。
当日はあいにくの天気ではありましたが、しっとりとした空気や紅葉した木々が秋らしい風情を醸し出していました。
行永家の見どころ
防火対策と考えられる土で塗り込まれた垂木。実用性と美しさを兼ね備えた特徴的な意匠となっています。
6本の大梁を互い違いに組んだ梁組。自然の曲材を用いた豪壮なつくりは大工の遊び心と腕の見せ所だそうです。
すのこ状に編んだ竹の上にむしろを敷いた竹すのこ天井は釜戸や囲炉裏の煙が通りやすい構造。かつては天井裏に柴や薪を上げ、煙を利用して乾燥貯蔵していたといいます。
毎日の炊事に使われた釜戸には煙突がなく、煙はすのこ天井を通って煙抜きから出ていく。
この煙が柱や屋根をカビや虫食いから守っており、日々火を焚くことが暮らしと家を支えています。
【参考文献】
行永壽二郎.古民家の風.東京図書出版会,2011,153p.
油彩画展示
今回は元舞鶴市中学校美術教師、畠中晶子氏による油彩画の展示もおこなわれ、いつもとは少し違う雰囲気の行永家住宅となりました。